マンガるろうに剣心・四乃森蒼紫キャラ解説(ネタバレ注意)

るろうに剣心の四乃森蒼紫といえば冷静で現実的な考え方が出来る事と主人公剣心に匹敵する強さが魅力的ですよね。

るろうに剣心好きの私はマンガを読み進めていくうちに、ある意外なことに気がつきました。

これを知ったうえで再度マンガを読んでみると、今までとは違った目線で四乃森蒼紫というキャラクターを楽しむことができますよ。

四乃森蒼紫を好きな人と語り合ったら、話が弾んで今まで以上に仲良くなれることは間違いありません。

では四乃森蒼紫がどういったキャラクターなのかを見ていきましょう。

 

四乃森蒼紫について意外だったこと

四乃森蒼紫がマンガ内で笑ったのは、武田観柳邸で剣心が現れた時だけです(るろうに剣心完全版第3巻25頁周辺)

基本的に蒼紫は笑いません。

巻町操(まきまちみさお)曰く「自信の作り笑いをする事はあったけど微笑んだりっていうのは一度もなかった」との事。

るろうに剣心完全版第3巻25頁周辺での笑いは剣心の強さにワクワクしている感じの笑みであり、面白くて笑っているという感じではありません。

あの斉藤一でさえ大笑いしたシーンがあるというのに・・・。(るろうに剣心完全版第6巻30頁参照)

でも四乃森蒼紫は少しの工夫で危なく読者の皆様に「とびきりの笑顔」を見せてしまうかもしれないシーンがありました。

その場面を考えて行きましょう。

 

キンカンの法則

笑いには「法則」があります。キンカンの法則というモノがとても有名です。

ある天才落語家が「緊張が緩和した時に人は笑う」と言った事がありますが、これはあらゆるシーンで当てはまります。

「緊張の緩和」。いわゆる「キンカン(「緊」張の「緩」和))」をいくつか例に出してみましょうか。

  • お葬式の緊張中に誰かが「おなら」をして場の緊張が緩和される
  • 「ここは高級料亭だからマナーを守るように!」と上司に連れられ座敷に上がると上司の靴下に直径10センチほどの大きな穴が開いていた
  • バッティングセンターで有名な野球選手が現れ「上手くなりたいなら俺のバッティングを見てろ!」と緊張して見ている最中に有名野球選手の自打球で場の空気が緩和
  • 朝礼で上司が熱心に熱弁している緊張中に誰かのスマホ着メロが鳴る。しかも着メロが美少女戦士が戦うアニメの主題歌
  • 雑誌に載った行列の出来るラーメン店で緊張の食事中にスープが肺に入り、しつこくむせて店内の空気が緩和
  • 先輩社員に「黙って俺に付いて来い!」と言われ「はい!」と返事をした直後に駅の自動改札で先輩社員が通過した時に「ピヨピヨ!」と改札誤作動で子供用通過音が鳴る
  • 緊張の資格試験の最中に小腹が空いて自分の腹だけグーグー鳴り始める
  • 一人カラオケで熱唱中にタンバリンまで叩いている最中に突然扉が開き、女性店員がジュースを持って来て彼女と目が合い、場に緊張が走った直後に「静寂」の空気が流れ始める
  • 社員旅行で飛行機搭乗後の緊張中「飛行機離陸の瞬間がたまらない!」という表情が数名、顔に思い切り出ている
  • 友人の部屋に大切に貼られている女優さんのポスターがあり、触ってはいけない・指紋を付けてはいけない・・・。と緊張してポスターを見ていると、ポスターの唇部分だけ妙にふやけている。

と、10個ほど「緊張の緩和」を挙げてみましたが、いかがでしょう?

どれも工夫すれば笑いに繋がっていくような気がしませんか?これが「緊張の緩和」いわゆる、キンカンの法則です。

有名なモノだと、大晦日に放映されるダウンタウンの「絶対に笑ってはいけない○○」などがキンカンの法則をフルに活用していますよね。

私は落語が好きでたまに見に行くのですが、登場した落語家さんが「私は皆さんの事がよく見えますから退屈そうな人・楽しんでいる人はすぐに分かりますよ!」とわざと緊張状態に持って行き、後から「まくら部分」に「緩和」を入れて笑いに繋げる落語家さん達も多く見てきました。

緊張の緩和を使うと誰でも笑わせる事が出来るのです。もちろん四乃森蒼紫でさえも。

るろうに剣心でも四乃森蒼紫でさえも笑わす「緊張の緩和(こうすれば蒼紫は笑ったかも)」はありますのでいくつか紹介していきますね。

 

四乃森蒼紫が笑う時その1(意外な武器登場)

初めての剣心と蒼紫の対決。武田観柳邸でその死闘は繰り広げられました。

防御力に特化した小太刀を利用した蒼紫の攻防に剣心は対抗する術がありません。

そこで剣心は刀の刃の鍔元を握り間合いを制して蒼紫の喉笛に刀の鍔元での一撃を入れるのです。

これが刀の鍔元ではなく竹槍でも登場させれば、おそらく四乃森蒼紫は笑ったと思います。(第27幕より)

 

四乃森蒼紫が笑う時その2(宿敵の未来)

剣心が京都に旅立ち、神谷道場に四乃森蒼紫が登場します。

「抜刀斎はどこだ・・・?」と高荷恵に問いかけますが腰が抜けた高荷恵は「さ・・・さあ知らないわ」としか答えられません。

そこに斉藤一が登場し「抜刀斎なら京都へ行ったぜ」と蒼紫に告げますが、この緊張状態で斉藤一が「抜刀斎ならお笑い芸人を目指す為に関西の方に向かったぜ」とでも言えば、おそらく四乃森蒼紫は笑ったと思います。(第61幕より)

 

四乃森蒼紫が笑う時その3(翁の緩和)

京都で四乃森蒼紫と京都御庭番衆「翁(おきな)」が茶菓子を食べるシーンがあります。

蒼紫は翁に「緋村抜刀斎を探して欲しい」と告げますが翁は「今のお前に必要なのは闘いの場ではなく心の静養じゃよ」と諭すシーンがあるのです。

この緊張の場で翁が「今のお前に必要なのは闘いの場ではなく小太刀9刀流での大道芸じゃよ」とでも言えば、おそらく四乃森蒼紫は笑ったと思います。(第86幕より)

 

四乃森蒼紫が笑う時その4(紙一重)

志々雄真実のアジトで剣心と蒼紫が壮絶な闘いを繰り広げられるのです。

蒼紫が必殺の「回天剣舞六連」を剣心の首筋に入れる瞬間、剣心は奥義「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」を蒼紫に浴びせ勝負に決着が着き、剣心はこう言います。

「また紙一重でござったな・・・」

ここで蒼紫は目をつむり「随分とぶ厚い紙一重だ・・・」と言うシーンがありますが単行本をお持ちの方は確認してみて下さい。

ここで四乃森蒼紫は笑っていませんか?

蒼紫の目だけしか描かれていませんが、死闘という緊張時の奥義発動。直後に出てくる剣心の気が抜けるセリフでの緩和。

このシーンは、るろうに剣心屈指の「キンカン」場面なのでコミックをお持ちの方は要チェックですよ!(第120幕より)

 

四乃森蒼紫のプロフィール

名前:四乃森蒼紫

性別:男性

生年月日:1853年1月

血液型:A型

性格:無口で使命感の塊・徹底した現実主義者

身長:182cm

体重:72kg

好きな食べ物:お茶・茶菓子

嫌いな食べ物:不明

趣味:茶の湯・瞑想

口癖:抜刀斎はどこだ?・神谷薫は何処にいる?など、人の居場所を聞きたがる

弱点:回天剣舞の流水の動きから動の動きに変わる一瞬・酒の席

その他特徴:笑わない・剣心の強さを信じている

声優:安原義人(やすはら よしと)

実在の人物モデル:土方歳三(ひじかた としぞう)

 

るろうに剣心の大まかなストーリー

【東京編】

明治11年東京。 廃刀令(はいとうれい)が発布され西洋文化が街に入り込んだ割と、のどかな東京が舞台です。

かつて幕末で最強の維新志士(いしんしし)と呼ばれた「人斬り抜刀斎」(ひときりばっとうさい)の名を語る悪い輩を、流浪人(るろうに)の緋村剣心がこらしめます。

この流浪人こそが、かつて最強と呼ばれた人斬り抜刀斎であり、助けられた神谷薫は「私は人の過去になんかこだわらない」と剣心を引き留めるのです。

浪漫譚(ろまんたん)の始まりは東京下町、流浪人の緋村剣心来訪から。

剣心が神谷道場に居座ってから人斬り抜刀斎と戦いたい者が次々と現れ仲間になってゆきます。

 

【京都編】

事実上、日本権力の頂点に居る大久保利通(おおくぼとしみち)が暗殺された。

この暗殺を計画した人物が、志々雄真実(ししおまこと)という明治政府を転覆させようとしている者で、かつて志々雄は影での人斬りを任された、いうならば人斬り抜刀斎の後継者である。

彼は剣の腕も頭の回転も速く支配欲を抱えた危険人物であった為、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の混乱に乗じて明治政府は志々雄真実を暗殺した。

しかし志々雄真実は生きていた。 彼は復讐戦争を計画して京都を拠点に十本刀(じゅっぽんがたな)と呼ばれる腕利きを同士にし暗躍(あんやく)を始めるのです。

志々雄真実を放置すれば、これから確実に日本の迷走が始まる。 剣心は薫に別れを告げて京都へと向かいます。

京都に行く途中で剣心は十本刀の一人と一戦交えますが、お互いの刀が折れてしまった為、勝負はお預けとなるのです。

不殺(ころさず)を守る為には今まで所持していた逆刃刀無しには戦えない事、そして己の力量不足を補う為に逆刃刀を作った刀鍛冶(かたなかじ)と飛天御剣流の師匠に会いに行きます

剣心の剣術は決して弱くはない。けれども心が弱かったのです。 奥義会得(おうぎえとく)には大変な努力が必要になりました。

逆刃刀真打(さかばとうしんうち)と飛天御剣流奥義を会得した剣心は途中で出会った仲間と共に志々雄真実の拠点で勝負をする事になります。

剣心の留守中に十本刀の多くが京都を襲い始めました。 京都に向かった神谷薫、明神弥彦、道中で仲間になった仲間達と共に京都を守ろうとするのです。

圧倒的な戦力の差はありましたが、マンガ特有の奇跡が起きて京都と日本は救われます。

 

【人誅編】(じんちゅうへん)

かつて剣心は人斬り抜刀斎として多くの人を「天誅(てんちゅう)」の名の下に叩き伏せ多くの者を殺しました。その復讐が人誅編。

「天が裁かなくとも己が裁きを下す」というのが人誅です。 剣心を恨む者達が集まり復讐を計画します。

復讐の首謀者は、かつての剣心の妻(巴)の弟、縁(えにし)。 妻は巴(ともえ)という名でした。

巴もかつて婚約者を剣心に殺害され復讐を計画した一人で剣心の弱点を探す為に近づきましたが、その優しさに彼を愛してしまい復讐は失敗に終わります。

巴同様に剣心も巴を愛しました。 巴は自分自身が剣心の弱点になった事に気が付き、剣心を守る為に自分を犠牲にして彼を守るのです。

その一部を見ていた縁は剣心が姉を殺害した。と勘違いをし復讐はここから始まります。

剣心と親しくしている者、言葉をかわした者、剣心が守った日本全てが縁の標的です。 勘違いから始まった復讐が始まります。

縁は剣心と親しくしていた神谷薫を殺害。 生きる気力を失った剣心は刀を鎖で封印し心が壊れてしまいます。

しかし神谷薫の死に疑問を持った者が現れました。 かつて剣心と戦った仲間です。

仲間達で薫の墓を暴き、薫の死体が人形である事を確認。 薫がまだどこかで生きている事を確信します。 姉の死を間近で見た縁に若い女性を殺す事は出来なかったのです。

仲間を守る為、薫を救う為に剣心の心が復活します。

心が強くなった剣心は、ほぼ無敵の状態でした。 あっさりと縁をこらしめトドメは巴の日記帳。 巴が剣心をどれだけ愛したか、自分がどれだけ勘違いをしていたか知れば精神的に、やられてしまうでしょう。

時は流れ明治15年。 剣心と薫は結婚し子供を授かります。 剣心は弥彦を呼び出し剣に魂が宿っているか見極めた後、逆刃刀を弥彦に託して一線を退(しりぞ)くのでした。

 

四乃森蒼紫に対しての熱い想い

地味に強い四乃森蒼紫。斉藤一や相楽左之助のような「派手さ」は全く無い。

けれども強い!あの剣心が必殺技すら決めらず「地味に勝利」した相手は四乃森蒼紫くらいでしょう(京都編除く)。

防御力特化型の四乃森蒼紫。小太刀二刀流になってから防御力がさらに上がった蒼紫。

そんな彼を今回は紹介です。

 

一番好きなところ

剣心と蒼紫の本気の闘いは2度ありますが、奥義を除き剣心の飛天御剣流の技をことごとく防いだその「防御力」の凄まじさではないでしょうか。

初戦では剣心の龍槌閃(りゅうついせん)と抜刀術(ばっとうじゅつ)を小太刀(こだち)を用いて軽々と防いでいますし、二度目の闘いでも剣心の龍巻閃(りゅうかんせん)を軽々といなしています。

攻撃力のあるキャラは多く居ますが、るろうに剣心の世界では「防御力」に関しては四乃森蒼紫が突出しています。しかも拳法家でもあるので強い。

防御だけでなく攻撃力も凄いものがあり「地味に強い」のが四乃森蒼紫。

派手な技こそ少ないですが「基本がしっかり出来ていれば強い」のお手本が四乃森蒼紫というキャラではないでしょうか。

初戦での剣心と蒼紫は剣心の辛勝で二度目の勝負も紙一重の勝利でした。蒼紫は御庭番衆という性質上、目立ちませんが剣心のライバルとしては斉藤一と同じくらい強いと個人的に思います。

 

外見のポイント

敵に視線を悟られないようにする為か、前髪を長く伸ばしている。

普段は黒い服の上に白いコートを羽織っており、東京編・京都編で剣心とはこの姿で闘っている。

人誅編では黒装束を身に纏(まと)い、外印(げいん)や四神の朱雀を軽々と倒しています(黒装束時の蒼紫は果てしなく強い?)

スーツ姿もよく似合い、るろうに剣心「特別編 春に桜」では黒いスーツにネクタイを着用しており、おそらくこの格好は現代でも通用するであろう。

 

歩んできた人生

幼少時の四乃森蒼紫の描写は無し。

彼は江戸時代に江戸城で警護を務めた15歳で御庭番衆お頭となった天才隠密。

時代が明治に移り変わった時に蒼紫には明治政府の要職が用意され誘いもあったが、残る御庭番衆の者達は一芸に秀でた者達ばかりで誘いは無かった。

その部下達を見捨てて自分(蒼紫)だけが要職になど就けない。と思った彼は士官の話は断り、用心棒まがいの事を御庭番衆の者と始める。

 

目的としていること

京都編までは維新志士最強と呼ばれた人斬り抜刀斎(剣心)を倒し、御庭番衆に「最強」という名の華を添える事を目的としていたが、京都で座禅を組み人誅編に移行してからは

「新しい時代を迎えた今 外法の悪党は外法の力を用いてさらなる闇へと葬り去る」に考えが変わり

新時代を少なからず歓迎している。

 

性格について

冷静で徹底した現実主義者。

東京編・京都編では目立たない蒼紫だが人誅編では大活躍する。

まずはその冷静な思考で神谷薫の墓を暴き、神谷薫の死体が人形であったと読者を安心させた功績は大きい。

神谷薫が雪代縁に殺された時に「週刊少年ジャンプを見るのを辞めた」という者が多く出たとか。

けれども「友情・努力・勝利」が土台にある週刊少年ジャンプがそんな事を許す訳もなく、神谷薫の死体は人形であり薫は生きていた。

こんな回りくどい事をしたのも作者である和月先生の努力の賜(たまもの)であり、主要人物が誰一人悲しむ事なく最終回を迎える事が出来たのは素晴らしい。

「神谷薫が生きていた」

この「現実」だけで救われた読者がどれだけ居ただろう。それを暴いたのが四乃森蒼紫です。

彼の徹底した現実主義のお陰で読者達は救われました。

 

普段の行動

京都編までは抜刀斎を殺す為に志々雄真実と一緒に行動するが、志々雄真実が消滅してからは寺で座禅を組むようになり一日を過ごす。

たまに操の邪魔が入る事もあるが、静かに深く座禅や瞑想を繰り返す。

 

名言・名シーン

<名言>

  • 明治の世になって多くの志士達は見る影もなく腐っちまったが あの男はまだまだ活きが良さそうだ(第21幕より)
  • 俺の御庭番衆だ 何人たりとも愚弄することは許さん!(第22幕より)
  • 俺達が闘っていれば維新の勝利は幕府のものだったはずだ(第26幕より)
  • その部下達を見捨てて御頭の俺が仕官など 何故できる?(第28幕より)
  • 抜刀斎 俺がお前を殺すまで 誰にも殺されるなよ(第30幕より)
  • 抜刀斎を殺れるのは この俺だけだ(第61幕より)
  • 華を添えるなら・・・ 早い方がいいか(第61幕より)
  • 「最強」という名の華をこの手にするまで 俺の闘いは終わらない(第86幕より)
  • 構わん 抜刀斎を斬る事が俺の全てだ(第87幕より)
  • 俺の小太刀二刀流に斬れぬものは無い(第89幕より)
  • お前を斃して最強という華を手にするためなら 俺は何にでも変わってみせる(第116幕より)
  • 随分とぶ暑い 紙一重だ・・・(第120幕より)
  • 奴がお前より弱いとは 俺にはどうしても思えん(第140幕より)
  • 隠密の本質は徹底的な現実主義 まずはその時の一部始終を出来る限り詳しく話せ(第209幕より)
  • 今夜 神谷薫の墓を暴く(第210幕より)
  • 零ではない可能性に 賭けた甲斐があったな(第211幕より)
  • 「答」を見つけて立ち上がるのは自分自身に他ならない(第212幕より)
  • 抜刀斎が見込んだ少年だというのが少々わかる(第213幕より)
  • 生憎だから 凡百の小料亭の主というのも 悪くないと俺は思っている(第216幕より)
  • 外法の悪党は外法の力を以て更なる闇へと葬り去る それが隠密御庭番衆の最後を締め括る御頭としての務めだ(第216幕より)
  • それに 帰りを待っている者もいる(第217幕より)

 

<名シーン>

笑顔全てが名シーンになる唯一の人物

剣心が武田観柳邸に突入する際に「あの男はまだまだ活きが良さそうだ」と微笑むシーンがあります。

何でもないシーンですが、ここで蒼紫が微笑んでいる所に注目です。

蒼紫は「笑わない」という事を思い出して下さい。これを考慮すれば仮に蒼紫が笑うシーンがここ以外であったとしたら、その場面は全て名シーンとなります。(第21・22幕より)

 

蒼紫の優しさ

剣心達が武田観柳邸に突入した時に目が覚めた高荷恵に「苦痛の生か安息の死か せめて自分で望む方を選べ」と短刀を渡します。

「お前のお陰で至高の敵と巡り会えた それはその礼だ」と言い部屋を去り優しい一面を見せていますが、基本的に蒼紫は人に冷たいです。

特に巻町操には容赦ないほどの冷たさで彼女の蒼紫への一途ぶりには感心するほど。逆に書くと蒼紫が操に優しくするシーンがあれば、その場面も全て名シーンとなります。(第22幕より)

 

幕府か維新志士か

剣心と蒼紫の闘いは少年向けマンガという性質上激しい闘いはもちろんありますが、左之助や斉藤一と違い「剣や拳で語る」よりも「頭脳で語る」場面の方が多い気がします。

武田観柳邸での剣心と蒼紫の闘いが、まさにそれ。

蒼紫は幕末の動乱の中で活躍したかった。しかし江戸城は無血開城となった。

何故、幕府が負けてしまったのかが剣心と蒼紫の語りにより長々と語られており、少年達は何となく「幕末」について学習できた事でしょう。(第26幕より)

 

剣心の強さを信じている

御庭番衆の仲間達が回転式機関砲(ガトリングガン)で撃ち殺されてしまいます。蒼紫はその4人の首を抱えながら「俺がお前を殺すまで 誰にも殺されるなよ」と剣心に対して睨むシーンがありますが蒼紫は徹底した現実主義者。

剣心と闘って剣心の強さを体感しています。

剣心が京都に旅立った時に神谷道場に蒼紫が現れ、高荷恵に剣心の居場所を問いただすシーンがあり、そこに斉藤一が現れてこう言うのです。

「抜刀斎なら京都へ行ったぜ」

斉藤一は詳細を話し蒼紫は「抜刀斎が帰ってくる頃 もう一度来るまでだ」と、その場を後にしようとしますが斉藤一がちょっかいを出します。

「志々雄に殺られて もう帰って来んかも知れんぞ」と斉藤一。

すぐさま蒼紫は「そんな事は有り得ん 抜刀斎を殺れるのは この俺だけだ」と反論しその場を後にするのですが、この発言だけで剣心の強さをある程度信じている事が分かります。

京都での志々雄真実との最終決戦では、志々雄真実の紅蓮腕(ぐれんかいな)でやられてしまった剣心の代わりに志々雄真実相手に蒼紫は時間稼ぎをしようとします。そこでこう言う蒼紫。

「奴がお前より弱いとは 俺にはどうしても思えん」

蒼紫の背後で立ち上がる剣心。蒼紫の時間稼ぎのお陰で剣心が復活しましたが、この場面は京都編の中でも相当インパクトがあり格好いい名シーンなので、コミックをお持ちの方は読み返してみて下さいね。(第30・61・140幕より)

 

心の内側をえぐり取る罵声

剣心と蒼紫の闘いは「頭脳戦」が多いのは上記に書いた通り。

志々雄真実のアジトで2度目の剣心・蒼紫の対決がありますが、ここでも蒼紫を焚きつける剣心。

「心を弱くしてしまった今のお前は あの4人のためでなく あの4人のせいにして己の兇剣を振るっているに過ぎないんだ!」

直後に蒼紫が「黙れ!」と剣心を殴るが剣心が続けて

「ムキになって否定するのは 本人もそれと知らず自覚している証拠か?」と燃料追加。

「貴様に何がわかる!」と再び激高し剣心を殴る蒼紫。

次々と心の内側をえぐり取るような罵声を蒼紫に浴びせる剣心。少しだけ角度を変えて見てみると蒼紫の事を剣心が「からかっている」ようにも見えます。

けれども剣心には操と約束していた事がありました。

「蒼紫は拙者が必ずここに連れて帰る」

蒼紫を連れて帰るために蒼紫の心に染み付いた歪みを削り取ろうとする剣心。必殺技同志でガシガシ打ち合うよりも蒼紫にとっては、こちらの方がよほど痛いです。

そして皆が幸せになれるように配慮する剣心と蒼紫の優しさが表れた闘いでもありました。(第104・119幕より)

 

零じゃない

人誅編で神谷薫が殺されて、剣心は廃人のようになり剣心の周囲の者達も悲しみ、読者の方々の中には「るろうに剣心を見るのをやめた」という方々が出るほど神谷薫の死はショックな出来事でした。

けれどもそれに疑問を持ったのが蒼紫。

一連の人誅事件において神谷薫殺害は人誅の集大成のはず。なのにその集大成は神谷薫の「死」という結果のみで「殺害」という過程が見事なまでにすっぽり抜け落ちてしまっている。と薫の墓を暴く事を提案。

弥彦達が見た薫の死体は、もしかしたら人形だったかもしれない。

常識で考えたら可能性は零に近い。けど零じゃない。

神谷薫の墓を開け人形ではない事を医師である高荷恵も確認。

通常ならここで諦めるはずだが蒼紫は徹底した現実主義者。それこそ人形かどうかは「解体」してみないと分からない代物。

高荷恵が止めに入りますが、弥彦の「やってくれ!蒼紫!」の声で薫を解体。中から出てきたのは人形の一部。

神谷薫の死体は人形だった。神谷薫はどこかで生きている。

四乃森蒼紫が大活躍する、剣心の仲間達や読者にさえも笑顔と希望を届けた「神回」がここ。(第211幕より)

 

凄さを解説

地味なキャラなのに意外と持ち技が多い四乃森蒼紫。

彼の技の数々を紹介してみようと思います。

 

拳法(けんぽう)

技名こそありませんが拳や蹴りで相手を翻弄します。

映画版で蒼紫と左之助の対決シーンがありますが、左之助が手も足も出ないほどに強い。小太刀を使用していないのにですよ?

映画版るろうに剣心は多くの登場人物が使う「蹴り」は重要な繋ぎ技の一つとして大活躍します。拳法家の蒼紫の蹴りともなれば威力は十分。

るろうに剣心の世界では、マンガでも映画でも「拳や蹴り」は地味に強い設定になっているようです。

 

流水の動き(りゅうすいのうごき)

拳法の動きと小太刀の技を複合した蒼紫特有の動き。

一見遅く感じるが緩急自在の動きで相手の視覚を惑わす。必殺技「回天剣舞」への繋ぎ技。

 

回天剣舞(かいてんけんぶ)

流水の動きから一転して「動」の動きに流れ、小太刀で相手に3連撃入れる技。

かつて江戸城に忍びこんだ賊を全て始末してきた東京編までの蒼紫の必殺技。

 

小太刀二刀流 陰陽交叉(こだちにとうりゅう おんみょうこうさ)

左手の小太刀で相手を斬りつけ、その上から右手の小太刀を重ねて威力を増加させる小太刀二刀流の技。

蒼紫の必殺技は登場回数が少ない上に地味なので記憶には残りづらいが、小太刀二刀流陰陽交叉は鋼をも斬る。

 

小太刀二刀流 呉鉤十字(こだちにとうりゅう ごこうじゅうじ)

小太刀2本を使用し、相手の首筋めがけてハサミのように斬りつける技。

剣心戦では不発に終わっているが蒼紫の技は実用的で怖い技が多い。

 

小太刀二刀流 陰陽撥止(こだちにとうりゅう おんみょうはっし)

剣心の「飛天御剣流 飛龍閃(ひてんみつるぎりゅう ひりゅうせん)」と同質の飛刀術。

飛龍閃と違うのは一刀目に隠れて全く同じ軌道上に二刀目が隠れている事。

一撃目をかわしても隙を生じぬ二段構えがある辺りが飛天御剣流の技によく似ている。

 

小太刀二刀流奥義 回天剣舞六連(こだちにとうりゅうおうぎ かいてんけんぶろくれん)

京都編から人誅編の最後まで活躍する蒼紫の必殺技。二刀流の回天剣舞が左右からやってくる。

京都編では不発が多いが人誅編では大活躍する。

奥義なのに何となく地味に感じてしまうのは何故なのだろう。

 

謎めいたところ

無口なキャラなので何を考えているのか分からない状況が維持されているのです。

現代では離婚の相談をする所に問い合わせられる悩みに「パートナーが何を考えているか分からない」という悩みが多いと聞きます。

性格の問題ではなく「相手に分かるよう表現できているか、いないか」だけの問題なので、きちんと話し合えば解決なのですが蒼紫はそれが苦手です。

考えている事が顔に表れたり表現できたりする者が多いるろうに剣心の主要人物内で、四乃森蒼紫は変わったキャラかと思います。

そんな彼に惚れる巻町操も、かなり変わったキャラでしょう。

 

四乃森蒼紫の残念なところ

隠密という性質上、目立った事は出来ないのが残念ですが、もう少し前面に出させて活躍して欲しかった。

これだけ強いのに、これだけ多くの技があるのに、主役級に活躍できるのに隠密という性質上・マンガという性質上「地味すぎて目立たない」点が残念すぎる。

実力は剣心や斉藤一と互角くらいの力を持っている。けれども目立たない。

上記にグラフを用意してみました。「攻撃力」・「防御力」・「技の数」・「精神力」・「素早さ」・「笑顔の数」をシゲルの独断と偏見で作ってみました。

蒼紫が他のキャラより突出している部分は、やはり「防御力」と「精神力」でしょうか。

このグラフを元に蒼紫を探っていきましょう。

 

相楽左之助と正反対の性質を持つ四乃森蒼紫

上記グラフを見て下さい。左之助に足りない「防御力」を蒼紫が持っていて、蒼紫に足りない「笑顔の数」を左之助が持っています。

左之助に足りない「素早さ」をある程度蒼紫が持っていて、グラフに項目はありませんが蒼紫に足りない「派手さ」を左之助が持っているのです。

つまり、この2人を足して2で割ると斉藤一になります。

書いている私でさえも「一体何を書いているのかよく分からない」事になっていますが、グラフをジッと見ているとたしかにそうなのです。

 

笑顔があれば出番は増えたはず

もう一度上記グラフを見て下さい。四乃森蒼紫に足りないモノは「笑顔の数」です。

これさえ克服出来れば強い上に明るいという最強キャラが出来上がります。精神力の強さも文句なし。

御庭番衆に巻町操という少女キャラが居ますが蒼紫の事を慕っていて隠密とは思えない明るさと派手さを持った少女です。

彼女は決して強くない。けれども「笑顔が多い」ので少年誌に連載されるマンガという性質上、欠かせないキャラとなっており登場回数も多くなっています。

仮にグラフに登場させた主要人物を主人公にして映画化するとしたら・・・。

相楽左之助だったら、拳で語るアクション映画の主役

四乃森蒼紫だったら、ミステリー映画の主役

斉藤一だったら、ホラー映画の主役になる事でしょう。

緋村剣心を主役にして映画化するとしたら、今年(2021年)公開予定の「るろうに剣心 最終章」になりますよ。

もうすぐ公開です。楽しみですよね。

自作ストーリーを考えてみた

人誅編で神谷薫が京都の操の所に手紙を出し、雪代巴の日記帳を持ってきて欲しい事を伝え四乃森蒼紫と巻町操が京都から東京にやってきますが

京都から東京まで行く途中の描写が一切ありません。

そこで道中に何があったのかを想像してみました。

 

「歪む時空」

 第一章「あなたのバーチャルアシスト」

第二章「蒼紫の質問」

第三章「蒼紫の推測」

第四章「バーチャルアシストの死」

第五章「左之助の異変」

第六章「斉藤一の異変」

 

第一章「あなたのバーチャルアシスト」

ここは明治11年京都。

志々雄真実の闘いから数ヶ月経った今、東京で「剣心が窮地に立たされている」と薫から手紙で連絡があり

京都の寺で預かった剣心の元妻「巴の日記」を手に東京に向けて出発する蒼紫と操。

 

操は神谷薫に会えると喜んでいるが、抜刀斎が助けを求めてくるほどだ。

東京で何かとてつもない異変が起きているに違いない。と気を引き締める蒼紫。

東京に行くには大阪湾から船を使い横浜から汽車を使えば楽なのだが御庭番衆ともなると東海道を歩いて進む方が慣れている。

初日は岡崎宿に泊まるか・・・。

蒼紫一行は愛知県中部に位置する宿で一泊する。

 

蒼紫が翌日目が覚めると枕元に見た事の無い四角い箱のようなモノが置かれていた。

「何だこれは?」と蒼紫がまじまじと見ていると箱が突然しゃべり出した。

「私はSiri、あなたのバーチャルアシストです」

 

第二章「蒼紫の質問」

しゃべる箱など妖怪以外の何者でもない。

江戸時代の「かわら版(今で言う新聞)」では妖怪の類は大変な人気だったが蒼紫は御庭番衆。徹底した現実主義者なのである。

一般人がこの箱を見れば妖怪の類と思うだろうが、得体のしれないものにはカラクリがある。

蒼紫がSiriという名の箱を見ていると気づいた事がいくつかあった。

そして蒼紫はSiriにいくつか質問を投げかけてみる。

 

「お前は男か?女か?」

「私には性別はありません」

 

「お前の目的は何だ?」

「アシスタントにそんなこと聞かない方がいいですよ」

 

「何故突然現れた」

「面白い冗談ですね」

 

蒼紫がなるほどな。という顔をすると、そこに操がやってきた。

「蒼紫様、起きていますか? 何か話し声が聞こえたのですが誰か居るのですか? ふすま開けますよ?」

ガララッとふすまを開けると、操が見た光景は難しそうな顔をしながらSiriという名の小箱を見つめている蒼紫であった。

「蒼紫様、何ですか?その小箱は」と操が発言するとSiriが反応した。

「こんにちは。可愛らしいお嬢さんですね。私はSiriと申します、よろしくお願いします」

 

第三章「蒼紫の推測」

「!!! あ・・・蒼紫様、コイツ妖怪では!?」

「・・・。いや、妖怪ではないな。我々御庭番衆は徹底した現実主義者。もっと現実的に考えるんだ」

 

「いいか?操。まずコイツは同じ一定量の光を継続して出している。分かるか?」

「あっ!本当ですね。ろうそくみたいに揺れないですし安定した光を出していますね」

 

「それと俺達の言葉に反応する。妖怪などという類のモノが存在しないとすれば答えは一つだ」

「な・・・何ですかその答えとは・・・」

 

「これは人が造ったモノだ」

「えええー!このしゃべる箱を人が造ったのですか!?」

 

「ここからは俺の仮説だ。志々雄真実との闘いで抜刀斎が奥義の抜刀術を出した事がある。志々雄真実はそれを受け止めたのだが、両者の剣のぶつかり合いで空気が一瞬弾けたんだ。その瞬間「時空が歪んだ」という仮説を立てるとしっくり来る」

「よく分からないのですが、この小箱は違う世界から来たモノという事ですか?」

「ああ、そうだ。今が1878年。今からおそらく100年後・・・。いや、150年から200年後の未来から来たものと俺は推測する」

「150年後の2028年から来た小箱ですか? 何だか凄いですね!」

 

「志々雄真実との闘いの場には、俺・抜刀斎・志々雄真実・相楽左之助・斉藤一と志々雄真実の部下達が2名居た。時空が歪んだ場所に居た者は合計7名。おそらく時空の歪みによって各人の周囲に異変が生じているものと推測できる」

「あっ!薫さんの手紙に書いてあった、東京で「緋村が窮地に立たされている」が起きているって、この事ですかね!?」

「おそらくそうだろうな。抜刀斎の周囲でも何か異変が起きているはずだ。あの場所に居た者達の異変。俺の元には、おそらくは時空の歪みで未来の日本人が使っているであろう小箱が舞い降りた訳だ」

「そっかー!未来から来た小箱か。あなた何だっけSiriだっけ?よろしくね」

「はい。よろしくお願いします」

「ああ、それとな操。この箱から推測できる事がまだまだあるぞ。思いつくか?」

「うーん・・・。未来の日本人はおしゃべり?」

「・・・。操もまだまだだな。この箱から推測できるのは150年後の未来は「表面上は平和」という事実、あと夜空に月が浮かんでいるだろう? おそらく150年後の人類は月に行っているぞ」

「あはは。蒼紫様でも冗談を言うんですね。小箱はともかく空に浮かんでいる月までどうやって行くのですか」

「信じる・信じないは操の勝手だが、悪い未来ではないと思うぞ。ああ、それとな操。そのSiriという名前の小箱を預かっていてくれないか?いきなり話しかけられるとクセで身構えてしまうんだ」

「いいですとも!蒼紫様こいつ。このSiriという小箱と喋ってても良いですか?」

「好きにするといいさ」

「やったー!蒼紫様ありがとうございますー」

 

第四章「バーチャルアシストの死」

旅にSiriが加わり、岡崎宿を出て東京に向かう蒼紫と操。道中でSiriが

「東京のご友人に会うなら、ここのおみやげはオススメですよ」とか

「東海道よりもこちらの方が近道です」とか

「10秒後に地震が来ます」とか教えてくれるものだから、その度に蒼紫と操は未来人の技術に驚いた。

2日目は静岡県の掛川宿に泊まる蒼紫一行。3日目に沼津辺りに泊まり、4日目に川崎辺りに泊まれば5日で東京に到着出来るだろう。

そんな事を考えながら蒼紫は掛川宿で眠りに就いた。

操は蒼紫から預かったSiriが気になって仕方なく、Siriにいくつか小声で質問をしていた。

 

「ねえねえSiri。将来、私と蒼紫様は結婚する?」

「はい。ご結婚されて、とても元気なお子様が生まれますよ」

 

「じゃあじゃあSiri。蒼紫様って平和な明治になってからどんな事をするの?」

「近い将来、小料理屋の店主さんになりますよ。女将は操さんです」

 

「うーんとうーんとSiri。私達の子供って元気な子供?」

「はい。緋村さんのお子さんと同じくらい剣術の才能があるお子さんですよ」

Siriの回答を聞く度に足をバタバタをさせながら、キャーキャーと静かに騒ぐ操。

 

翌日、掛川を出発し沼津に向かう蒼紫一行。

またしてもSiriが

「ここからの富士山は良い眺めですよ。少しお茶を飲んで休憩するのをオススメします」とか

「明日は雨の予報です。傘の準備はありますか?」とか

「正午です。お昼ご飯にしませんか?」とか話しかけてくるものだから蒼紫も操も未来って凄い・・・。と只々驚いた。

 

「ねえ蒼紫様」

「何だ?」

「このSiriを薫さん達にも紹介してあげたいな」

「ああ、操の好きにするといいさ」

 

操はSiriのお陰で何だか蒼紫との距離が縮まったようで大喜びである。

しかし悲劇は翌日に突然やってくる。Siriがしゃべらなくなってしまったのだ。

現代風に言うとバッテリー切れなのだが蒼紫も操も原因が分からず、道中でSiriの墓まで作って埋葬した。

 

第五章「左之助の異変」

死んでしまった志々雄真実・駒形由美・佐渡島方治を覗くと、剣心に起きた異変は「人誅」の完成。

蒼紫に起きた異変は「Siriの登場」であるが、残り二人・・・。

相楽左之助と斉藤一に起きた異変というと・・・。

 

左之助が長屋で昼寝をしていると枕元に時空を超えて錦絵の塊が置かれた。

錦絵の塊は現代風に書くと「コミック」である。コミックにはスラムダンクと書かれている。

目が覚めた左之助はそのコミックを手に取り面白さに夢中になった。

「この錦絵の作者は誰でェ!」と言いながら夢中になってスラムダンクのコミックを読みあさった。

昼が過ぎ夜を迎え、夜が明ける頃には「チームスポーツというのはいいものだな。特に最後の流川のパスが最高だ・・・。」と目を腫らした左之助が居た。

 

第六章「斉藤一の異変」

そして斉藤一の所には枕元には時空を超えて電子写真が置かれた。

電子写真。現代風に言うと「デジタルフォトフレーム」である。

その電子写真を見て斉藤一はハッとした。

「シゲ!お前はシゲじゃないかァ!あの時、俺一人だけ逃げてしまって本当にすまなかった!だから妖怪になんぞに化けて出ないでくれ!俺は幽霊と妖怪だけはダメなんだ!」

裸になってデジタルフォトフレームに向かって土下座し、許しを請う斉藤一。

「シゲェ!許してくれ!シゲェェェ!」

裸で土下座し、何度も頭をゴンゴン!と床に叩きつけて謝罪する斉藤一。

こうして時空を超えた異変は幕を閉じた。

るろうに剣心読者の方ならご存じかとは思うが時空の歪みは、あと2回ほどやってくる。

 

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アニメ化について

引用元:テアトル・エコー

アニメ版で四乃森蒼紫を演じるのは安原義人さん。声がすごく安心出来てナレーションが上手いです。(上記引用元先に安原義人さんのボイスサンプルあり)

「安心できる発声」という点では精神力の強い四乃森蒼紫はハマり役でしたよね。

地に足がついていて安心できる声。アニメ版るろうに剣心では多くのキャラが慌ただしいので安原義人さんの声が出てくると何だかホッとします。

きっと安原義人さんならお手の物でしょうが、感情的になって泣いている蒼紫や怒り狂う蒼紫の声も個人的に聴いてみたいです。

では四乃森蒼紫役を演じた安原義人さんを紹介ですよ。

安原義人プロフィール

【名前】 安原義人

【生年月日】 1949年11月17日

【出身】 兵庫県相生市

【所属】 テアトル・エコー

その昔、るろうに剣心好きのシゲルは「オーディオブック」という声とBGMだけのCDを購入した事があります。

マンガとアニメの中間に位置する媒体で「声だけでアニメをやってみよう」的なモノです。

るろうに剣心のオーディオブックが出た頃はアニメ化の話は出ていませんでしたが、るろうに剣心マニアの方々なら購入したはず。配役も若干異なっていますが、マンガとは違うこんな剣心や薫、こんな左之助や弥彦もアリだな!と感じたもの。

オーディオブックに蒼紫の登場は無かったと記憶していますが安原義人さんが参加していたら、どんな蒼紫が聴けたかな?と思うとドキドキしてきます。

 

実写化について

映画版るろうに剣心で四乃森蒼紫を演じたのは伊勢谷友介さん。

昨年2020年にトラブルがあり現在は活動されていないようですが、京都編2作の四乃森蒼紫役は相当ハマり役でした。

マンガが実写になったら「絶対にこうだな」を見事に再現された人で他に蒼紫を再現できる人いるかな?と考えてみましたが思いつきません。

本当に実力のある人なので復帰を願うばかりです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?四乃森蒼紫。

隠密という性質上目立ちませんが剣心や斉藤一と同等の実力を持っています。

昔、あるタレントさんが音声さんや照明さんの仕事をからかうような発言をした事がありました。

まだとても若い方なので仕方ない出来事だったのですが強力な裏方さんが居るから、タレントさんがテレビで活躍できるはずなのです。

るろうに剣心の世界でも四乃森蒼紫という強力な「裏方」が居たから剣心や弥彦の活躍が目立つのかと思いますよ。

ゴールデンウイークに「るろうに剣心 最終章」が公開されますが、音声・照明・編集・広告・プロデューサー・ディレクター・デザイナー・大道具小道具・スタイリスト等、書き切れませんが多くの裏方が居るから素晴らしい映画が出来上がるのです。

そして彼らは自分の仕事に価値を感じているはずです。周囲を見渡すと色々な異なる仕事をしている方々ばかりですが、皆が得意な分野を周囲に提供する事で我々の生活が成り立っています。

自分の得意な事を皆に提供して人に感謝をし、皆でこの国を良くして行こうではありませんか。

それでは今日も素敵な1日を!

 

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