マンガるろうに剣心・雪代縁キャラ解説(ネタバレ注意)

るろうに剣心の雪代縁といえば剣心に匹敵する強さとお姉さん想いな所が魅力的ですよね。

るろうに剣心好きの私はマンガを読み進めていくうちに、ある意外なことに気がつきました。

これを知ったうえで再度マンガを読んでみると、今までとは違った目線で雪代縁というキャラクターを楽しむことができますよ。

雪代縁を好きな人と語り合ったら、話が弾んで今まで以上に仲良くなれることは間違いありません。

では、雪代縁がどういったキャラクターなのかを見ていきましょう。

 

 

雪代縁について意外だったこと

雪代縁(ゆきしろえにし)は、るろうに剣心「人誅編(じんちゅうへん)」のラスボスです。

幼い頃に剣心に姉を殺されたと勘違いをし、復讐(ふくしゅう)のため剣心に「人誅」を下そうとします。

雪代縁は剣心に復讐するため、剣心たち維新志士が作った日本など願い下げだったので子供の頃「上海」に渡りますが、子供一人で生きて行くのには過酷な環境。何度も死にかけた。

けれども剣心に復讐をしたい一心で、それを乗り越え上海闇社会の頭目にまで昇りつめました。

雪代縁は剣心を恨む5人の仲間を集めて復讐を企てます。仲間の5人は皆強い!

その結果、人誅は完成し神谷薫は殺されて剣心は心が壊れてしまいました。雪代縁は見事に復讐を成し遂げたのです。あとは剣心が衰弱(すいじゃく)して死ぬのを待つのみ。

傷も癒(い)えていない状態のまま飲まず食わずで「落人群(らくにんむら)」という場所で刀を鎖で封印し過去を振り返る剣心。

しかし、この人誅こそが剣心の心を強くさせる「きっかけ」になってしまいます。

 

剣心の心を強くさせた一番の功労者が縁

るろうに剣心は剣術は強いけれども心が弱い剣心の「心の成長を楽しむマンガ」だと思っています。

心の成長を楽しむマンガ。という事は剣心の心は、ある程度弱いわけです。

縁は「人誅」を完成させて剣心を生き地獄に突き落とします。そして剣心は過去を振り返り、志々雄真実(ししおまこと)の亡霊から罵声を浴びせられ背負っている物の重みを痛感。

剣心は京都で師匠の比古清十郎(ひこせいじゅうろう)から「飛天御剣流奥義 天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」を授かりましたが、この奥義が特殊な奥義で弱い心が少しでもあると発動しない奥義であり、心の強さが破壊力に出る奥義でもありました。

「生きる意志は何よりも強い」の心得を授かった剣心は、その奥義で志々雄真実を打ち破りますが、この時点で「剣心が放つ天翔龍閃」は中途半端な奥義だったのです。

その証拠に、縁と剣心の奥義対決で剣心は負けてしまいます。昔より心が強くなった剣心ですが、まだ何かが足りなかったのかと思います。

足りなかったものは「答(こたえ)」です。

縁が仕掛けた生き地獄の中で剣心は「生の事、死の事、罪の事、罰の事」を色々考えましたが「この目に映る人々全てを守りたい」の原点に戻ってしまいます。

しかし彼はそこから先を見つけました。「罪とともに殺めた者達の想いを背負い拙者は生きる」。

剣心が出した答えは「剣と心を賭して この闘いの人生を完遂する!」でした。

飛天御剣流奥義、天翔龍閃は心の強さが破壊力に表れる奥義。

二度目の奥義対決での天翔龍閃は以前と比べものにならないほどの破壊力で雪代縁を上回り勝負あり。

雪代縁は人誅を完成させた事で「一時的に」剣心への復讐に成功し勝利しますが、剣心の心が成熟しきってしまったので勝負全般で敗北しています。

 

座右の銘はありますか?

剣心が苦しみ抜いて見つけた答えが「剣と心を賭して この闘いの人生を完遂する!」ですが、答えの中に自分の名前が入っています。

おそらくこれから長く続く闘いで座右の銘として心に刻まれた事でしょう。

私、シゲルもそんな座右の銘が欲しいのです。「シとゲとル」が入った座右の銘が欲しいです。

そういえば最近、通信販売で格安電池を購入したシゲルですが、どうも電池の力が弱いしすぐに電池が無くなってしまう・・・。と電池をよく見てみるとパナソニック製の電池でした。

パナソニック製の電池なら安心・安全なのにどうして?と電池をよく見てみると、そこに書いてあった文字は「パナソニック」ではなく「ペナソニック」だったのです。偽物を購入してしまったシゲル!

ここからシゲルも座右の銘を作ります。「真実と現実を知り 類似品を見極める!」とかどうでしょう?私の「シゲル」の文字が全部入っています。

皆様も自分の素敵なお名前があると思いますが、そこから座右の銘を作ってみるのも面白そうですね。

あと、シゲルの「真実と現実を知り 類似品を見極める!」ですが少し考えさせて下さい。よく見ると格好悪い!

 

神谷薫は生きていた

神谷薫(かみやかおる)を殺害し剣心を生き地獄に突き落とした雪代縁。

しかし四乃森蒼紫(しのもりあおし)が神谷薫殺害に疑問を抱きます。「一連の人誅事件において神谷薫殺害は最重要の集大成のはず。なのに、その集大成が「死」という結果のみで「殺害」という過程が見事なまでにすっぽり抜け落ちてしまっている。」

蒼紫は神谷薫の墓を暴く事を提案。墓を暴き中から出てきた薫の死体を解体すると、それは人形だった。

何故このような回りくどい事をしたかというと、作者の和月先生の「少年漫画はハッピーエンドにすべき」という考えがあったと単行本に書かれているのです。

若い頃に剣心に惨殺された姉の雪代巴を見てから、若い女性に対してはどこか失くした姉の面影を見いだし、頭で分かっていても体が殺す事を拒絶してしまうという設定も後々追加されます。

何にしろ、神谷薫が死んだ事で「るろうに剣心を見るのをやめた」という者が多く出る事態になってしまったので、この回りくどい設定もアリだな。と感じましたよ。

雪代縁は神谷薫を殺害出来ず、剣心の心を強くしただけで一時的な復讐しか出来なかったわけです。

登場場面が少ない四乃森蒼紫も、るろうに剣心から離れてしまった読者を呼び戻すのに大活躍しました。

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雪代縁のプロフィール

名前:雪代縁

性別:男性

生年月日:1855年5月

血液型:A型

性格:シスコン

身長:175cm

体重:68kg

好きな食べ物:雪代巴が作った料理

嫌いな食べ物:不明

趣味:亡くなった姉との会話

口癖:姉さん

弱点:剣心が姉の名を口にすると激高する

その他特徴:復讐の為なら何でもする

声優:佐々木望

実在の人物モデル:不明

 

るろうに剣心の大まかなストーリー

【東京編】

明治11年東京。 廃刀令(はいとうれい)が発布され西洋文化が街に入り込んだ割と、のどかな東京が舞台です。

かつて幕末で最強の維新志士(いしんしし)と呼ばれた「人斬り抜刀斎」(ひときりばっとうさい)の名を語る悪い輩を、流浪人(るろうに)の緋村剣心がこらしめます。

この流浪人こそが、かつて最強と呼ばれた人斬り抜刀斎であり、助けられた神谷薫は「私は人の過去になんかこだわらない」と剣心を引き留めるのです。

浪漫譚(ろまんたん)の始まりは東京下町、流浪人の緋村剣心来訪から。

剣心が神谷道場に居座ってから人斬り抜刀斎と戦いたい者が次々と現れ仲間になってゆきます。

 

【京都編】

事実上、日本権力の頂点に居る大久保利通(おおくぼとしみち)が暗殺された。

この暗殺を計画した人物が、志々雄真実(ししおまこと)という明治政府を転覆させようとしている者で、かつて志々雄は影での人斬りを任された、いうならば人斬り抜刀斎の後継者である。

彼は剣の腕も頭の回転も速く支配欲を抱えた危険人物であった為、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の混乱に乗じて明治政府は志々雄真実を暗殺した。

しかし志々雄真実は生きていた。 彼は復讐戦争を計画して京都を拠点に十本刀(じゅっぽんがたな)と呼ばれる腕利きを同士にし暗躍(あんやく)を始めるのです。

志々雄真実を放置すれば、これから確実に日本の迷走が始まる。 剣心は薫に別れを告げて京都へと向かいます。

京都に行く途中で剣心は十本刀の一人と一戦交えますが、お互いの刀が折れてしまった為、勝負はお預けとなるのです。

不殺(ころさず)を守る為には今まで所持していた逆刃刀無しには戦えない事、そして己の力量不足を補う為に逆刃刀を作った刀鍛冶(かたなかじ)と飛天御剣流の師匠に会いに行きます

剣心の剣術は決して弱くはない。けれども心が弱かったのです。 奥義会得(おうぎえとく)には大変な努力が必要になりました。

逆刃刀真打(さかばとうしんうち)と飛天御剣流奥義を会得した剣心は途中で出会った仲間と共に志々雄真実の拠点で勝負をする事になります。

剣心の留守中に十本刀の多くが京都を襲い始めました。 京都に向かった神谷薫、明神弥彦、道中で仲間になった仲間達と共に京都を守ろうとするのです。

圧倒的な戦力の差はありましたが、マンガ特有の奇跡が起きて京都と日本は救われます。

 

【人誅編】(じんちゅうへん)

かつて剣心は人斬り抜刀斎として多くの人を「天誅(てんちゅう)」の名の下に叩き伏せ多くの者を殺しました。その復讐が人誅編。

「天が裁かなくとも己が裁きを下す」というのが人誅です。 剣心を恨む者達が集まり復讐を計画します。

復讐の首謀者は、かつての剣心の妻(巴)の弟、縁(えにし)。 妻は巴(ともえ)という名でした。

巴もかつて婚約者を剣心に殺害され復讐を計画した一人で剣心の弱点を探す為に近づきましたが、その優しさに彼を愛してしまい復讐は失敗に終わります。

巴同様に剣心も巴を愛しました。 巴は自分自身が剣心の弱点になった事に気が付き、剣心を守る為に自分を犠牲にして彼を守るのです。

その一部を見ていた縁は剣心が姉を殺害した。と勘違いをし復讐はここから始まります。

剣心と親しくしている者、言葉をかわした者、剣心が守った日本全てが縁の標的です。 勘違いから始まった復讐が始まります。

縁は剣心と親しくしていた神谷薫を殺害。 生きる気力を失った剣心は刀を鎖で封印し心が壊れてしまいます。

しかし神谷薫の死に疑問を持った者が現れました。 かつて剣心と戦った仲間です。

仲間達で薫の墓を暴き、薫の死体が人形である事を確認。 薫がまだどこかで生きている事を確信します。 姉の死を間近で見た縁に若い女性を殺す事は出来なかったのです。

仲間を守る為、薫を救う為に剣心の心が復活します。

心が強くなった剣心は、ほぼ無敵の状態でした。 あっさりと縁をこらしめトドメは巴の日記帳。 巴が剣心をどれだけ愛したか、自分がどれだけ勘違いをしていたか知れば精神的に、やられてしまうでしょう。

時は流れ明治15年。 剣心と薫は結婚し子供を授かります。 剣心は弥彦を呼び出し剣に魂が宿っているか見極めた後、逆刃刀を弥彦に託して一線を退(しりぞ)くのでした。

 

雪代縁に対しての熱い想い

カリスマ性と分かりやすさから志々雄真実が剣心の「敵」として最強なのは揺るぎないのですが、実は飛天御剣流奥義 天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)を雪代縁は一度破っているんですよ。

比古清十郎は「天翔龍閃は不敗の奥義」と言っていますが、雪代縁の「虎伏絶刀勢(こふくぜっとうせい)」は、どうも飛天御剣流を使う剣心にとって相性が悪い。

天翔龍閃の二段構えは前方を真空にして空気ごと相手を引き寄せて放つ二撃目ですが、真空を使う飛天御剣流の奥義は地に伏せる虎には届かなかったのです。剣心の心が強くなってからは奥義も比較にならないほど強くはなりますが。

心が強くなる前の剣心は色々と不利な条件が重なり、縁によって生き地獄に叩き落とされます。

剣心を生き地獄に突き落とした、復讐の為だけに上海に渡り復讐の為だけに生きてきた雪代縁を紹介です。

 

一番好きなところ

お姉さん想いな所でしょう。お姉さん大好き、姉の言う事なら何でも聞く。

姉の巴が亡くなってからもお姉さん想いな所は無くならず、たまに亡くなった姉と会話をしております。

縁は剣心に姉を殺されたと勘違いをし、維新志士が作った日本など御免だったので上海に渡り復讐の為に行動しますが、その行動力が凄かった。

姉さんの仇を討ちたい一心で上海闇社会の頭目にまで上り詰めました。

そして大陸経由の密造武器を用い、剣心に復讐を企てます。

志々雄真実が悪の集大成ならば、雪代縁は剣心の心を攻撃する集大成。

剣心が一番苦しむ方法を使って復讐を計画し、仲間を集め剣心を一時的にですが生き地獄に叩き落としました。この行動力が凄い。

亡くなった姉さんが笑ってくれる為なら復讐どころか、きっとどんな事だってしたと思います。

 

外見のポイント

目の前で姉が殺される所を目撃してからは黒髪は白髪頭になり、復讐の為に剣心の前に現れた時は黒のロイド眼鏡に大陸製と思われる黄色がかった服とズボンを着用。

 

歩んできた人生

1855年、江戸に生まれる。

姉が京都に向かってから、すぐに後を追いかけ姉の巴は許嫁を殺害した剣心に復讐を下そうと企てる。

姉が暗殺組織「闇乃武(やみのぶ)」に剣心殺害を依頼し、縁もそれに加担するも姉の巴が剣心を愛してしまい復讐は失敗。

目の前で姉が惨殺される光景を目にし、そのショックで髪の毛が真っ白になってしまった。

剣心が姉を殺害したと「勘違い」をし、姉の居ない日本・維新志士が作った日本など御免だったので上海に渡る。

その後、上海で生き地獄を乗り越え上海闇社会の頭目にまで上り詰めるが地位には興味が無い様子。

多くの兵器を所持する所に志々雄真実が甲鉄艦「煉獄(れんごく)」を購入しに来た後に剣心と志々雄真実の闘いを知る。

その後「人誅」の名の元に仲間5人を集め剣心に復讐を企てようと企む。

 

目的としていること

姉を殺した剣心を殺害し復讐する事を目的としている。

しかし所詮「死」など一瞬の痛み。抜刀斎を「生き地獄」に突き落とす事が雪代縁究極の復讐。(第156幕より)

 

性格について

走り出したら止まらない。そして重度のシスコンである。

姉の殺害現場を見てから剣心への復讐の為に上海に渡り「倭刀術(わとうじゅつ)」を独学で覚えて復讐の為に日本に帰国する。

たまに死んだ姉と会話をしている。

 

普段の行動

日本に帰国してからは横浜別荘地で同志達と「人誅」計画を企てる。

人誅が完成してからは場所を移し東京湾上の孤島に場所を移す。孤島には縁を頂点とする組織の中継基地があり、剣心と闘ってからは傷を癒す為に滞在する。

 

名言・名シーン

<名言>

  • 抜刀斎の左頬に まだ十字傷は有りましたか?(第152幕より)
  • 復讐開始の 合図の狼煙を(第154幕より)
  • 抜刀斎と同じ東京など絶対御免ですから(第155幕より)
  • ボク達は 六人の同志です(第156幕より)
  • 皆 止めの一刺しは自分の手で下したいのでしょう?(第156幕より)
  • 緋村抜刀斎を俺達姉弟が味わった同じ「生き地獄」につき落とす それが雪代縁の究極の復讐(第156幕より)
  • どうした抜刀斎? 姉さんの幻でも見えたのか?(第162幕より)
  • 姉さんは常に俺と共にいる 今も これからもずっと(第163幕より)
  • 姉さんのいない日本なんて それだけで罪に等しいんだ(第163幕より)
  • せいぜい「苦しむがいい」(第163幕より)
  • 俺には誰も要らない 姉さんがいればそれでいい(第171幕より)
  • さあ 人誅の時間だ(第184幕より)
  • それを聞いて安心しました これで心おきなく 人誅の完成に専念出来ます(第200幕より)
  • ソレは俺を過小評価してるのか?それとも自分を過大評価しているのか?(第202幕より)
  • ところがなんとその人斬りは名を変えて 次を見つけて幸せに暮らしていました 少年はとても我慢なりません(第202幕より)
  • 姉さんが微笑ってくれる限り俺は 誰よりも何よりも強くなれる(第204幕より)
  • 抜刀斎 貴様の中の姉さんは今 微笑っているか?(第204幕より)
  • 要はやはり姉さんは 俺に微笑んでくれたというコトサ(第205幕より)
  • 今度は俺が 貴様から最も大事な存在を奪い!貴様を「生き地獄」に突き落とす!(第205幕より)
  • あんたには ここで犠牲になってもらう(第206幕より)
  • そこに貴様が探していた「答」が有る(第207幕より)
  • 忘れてねェよ 「俺の私闘の後方支援に組織の力をつぎ込む代わりに組織の全てをお前にくれてやる」(第214幕より)
  • もうじき終わるよ 姉さん・・・(第214幕より)
  • なんで・・・ どうして笑ってくれないんだ・・・ 姉さん・・・(第214幕より)
  • てめェはこの俺が 万が一でも敗けるとでも思ったか!?(第237幕より)
  • それこそが姉さんの本当の願い!!(第243幕より)
  • ただ跳ねて飛ぶだけの技など 倭刀術においては序の口に過ぎん(第244幕より)
  • 夢でも!現でも!幻でも!二度と貴様が天の姉さんに遭えない様 殺して地獄に叩き落としてやる!!(第246幕より)
  • 姉さんが俺に与えてくれた 貴様への復讐の力だ(第247幕より)
  • 俺が唯一守りたかったものは既に貴様に・・・ 貴様に奪い取られている!!(第248幕より)
  • 俺は貴様に死罰を下して もう一度姉さんの笑顔を取り戻す!!(第249幕より)
  • 気のせい程度なら 俺も貴様の面を見た覚えがある(第251幕より)

 

<名シーン>

人誅編のラスボスであるので剣心に対する憎しみが普通ではないです。

そして亡くなった姉さんが大好きなので名言や名シーンも姉「巴」が出てくるシーンが絞られてきます。あとは剣心の心が一番成長した人誅編なのでその辺りも名シーンが多いです。

 

貴様が姉さんを語るな

雪代縁は自身が小さい頃に姉が剣心に殺されたと「勘違い」をしています。

剣心が巴を惨殺したのは間違い無いのですが、巴が剣心を助ける為に敵の前に立ち、五感を失った剣心が剣を振るった刃が巴にも当たってしまった。のが事実。

現代風に書くなら、目も見えず、耳も聞こえず、肌の感覚すら無い状況で道で人とぶつかって因縁をつけられたような感じです。

たまたま巴を惨殺してしまった現場を見たのが雪代縁。けれども剣心の五感は敵が仕掛けた罠により、ほぼ麻痺していて味覚・嗅覚くらいしか残っていなかった。

その現場を見てしまった雪代縁はショックから白髪頭になってしまいますが、弁解しようとしない剣心も流石です。

東京、神谷道場の近くの橋の上で雪代縁を見つけて会話をした時に剣心は雪代巴の亡霊を見ますが、この時の雪代巴は笑っていません。

剣心が「答」を見つけて立ち直るにつれて巴は笑顔を見せていく事になりますが、巴が微笑んでくれるまでは剣心にとって生き地獄を感じた事でしょう。

死者が重要な役になっている「人誅編。」 東京での剣心と縁の闘い・縁の復讐はここから始まります。(第163幕より)

 

微笑む姉

風呂上がりに自室で縁は椅子に座り「趣味」である死んだ姉との会話を始めてしまうのです。

姉さん・・・。姉さん・・・。と何度も亡くなった姉に問いかけていますが、この時見た縁の中に居る巴は微笑んでいます。

本当の巴は誰よりも何よりも優しいから縁を見守ってくれているのです。

しかし神谷道場に「人誅」を仕掛けてから、縁の中に居る巴が笑わなくなりました。

優しい姉なので人を苦しませる事を率先してやっている縁が悲しく見えてしまった可能性もあると思います。

縁は大陸から仕入れた武器を売りさばいたりして人を殺める事にも一役買っており、その罪は人生をかけて償(つぐ)なわなければなりません。

そうしないと縁の中に居る巴は笑わない。罪を償って縁自身が微笑むようになれなければ縁の中の巴は決して笑わない。

巴は優しくも厳しい姉です。(第171幕・第251幕より)

 

倭刀術絶技vs飛天御剣流奥義

剣心の「敵役」で志々雄真実(ししおまこと)を超える者など居ません。志々雄真実は「悪の集大成」ですから。

志々雄真実の自滅も彼の「勝ち逃げ」のような感じになっています。「時代が剣心を選んだ」が適切な言い方かと思うのです。

今回の敵役「雪代縁達」ですが、神谷道場で剣心達が雪代縁の仲間を成敗し、残りは雪代縁だけとなり彼は気球から降りてきました。

ここから剣心と雪代縁の一騎打ち。

迫力も技の威力も雪代縁よりも志々雄真実の方が上かとは思うのですが、飛天御剣流は倭刀術と大変に相性が悪い。

どちらも飛んだり跳ねたりして、そこから攻撃を繰り出しす所は同じですが、奥義となれば別。

飛天御剣流奥義「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」は相手が攻撃してくる刀に一撃を入れ、はじけ飛んだ空気で真空状態を作り、はじけた空気が戻る交差法を利用して2撃目を入れる二段構えの抜刀術。

対して雪代縁の倭刀術絶技「虎伏絶刀勢(こふくぜっとうせい)」 地面に向かって深く沈む構えから出される一撃は天翔龍閃で作られた真空に吸い込まれる事なく2撃目を入れる事が可能。

必殺の2撃目も刹那「虎伏絶刀勢」の方が早く入れられる。縁は真空状態に耐えて2撃目を剣心に入れた。

確かに雪代縁は強いですが、志々雄真実ほどではありません。 剣心が使う飛天御剣流は、縁が使う倭刀術と大変に相性が悪かったのです。

「人誅」も「奥義」も剣心にとって虚を突かれた感じになっています。

これは私の勝手な推測ですが、雪代縁と志々雄真実が闘ったとしたら楽勝ではないにしろ志々雄真実が勝利すると思いますよ。(第205幕より)

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うろたえる縁

縁は「人誅」を完成させようと神谷薫の元に向かおうとしますが、それを阻止しようとする剣心。

飛天御剣流の技や奥義も出していないのに雪代縁を圧倒します。文字を見ないで絵だけ見ていると、どっちが悪役か分からないくらいに剣心の顔が凶悪になっているのに気づいた読者も居るはず。

ここで剣心の邪魔をしてきたのが、縁との決戦前に剣心がやっつけた鯨波兵庫。

その巨体で剣心を捕まえて剣心の身動きを取れなくさせます。縁も「天もやっと味方する気になったようだ」とホッとしています。

ここで鯨波兵庫が現れなければ剣心が雪代縁をボコボコにして人誅編は終わっていたでしょうが、マンガ的にそれでは面白くないので神谷薫が殺されて人誅が完成してしまうのです。

剣心にやられた怪我がどれだけ凄かったかは、東京湾の孤島に場所を移した縁を見れば分かります。

左手は包帯で固定されて左目が腫れて顔中傷だらけになっています。縁が剣心の義理の弟だった事と「答(こたえ)」を見つける前だったから攻撃力に補正がかかっていたのでしょうか。飛天御剣流の技よりも剣心に殴られたダメージの方が大きそうです。

読者のダメージも当時は大きかったです。ヒロインの神谷薫が殺されましたから(後に神谷薫の死体は人形だったと明かされるまでショックは続きました)(第206幕・第212幕より)

 

新たなる一歩

剣心と縁の最終決戦。狂経脈(きょうけいみゃく)の動きを飛天御剣流「龍鳴閃(りゅうめいせん)」で封じられた縁。

縁が虎伏絶刀勢の構えに入ると剣心も「せめてその怒りには正面からこたえなくてはな」と天翔龍閃の構えに入る。

両者の絶技・奥義の打ち合いは「答」を見つけた剣心の攻撃力が一撃目から縁を遙かに上回った。

以前の絶技・奥義の打ち合いでは「答」を見つけられないまま挑んだ剣心なので要の左足を強く踏み出す事ができなかったが今は違う。この左足の一歩は以前とは違う迷いの無い剣心の新たなる一歩。

最強の2撃目を入れる前に既に勝負はついていた。姉に助けを求める縁だが巴は微笑んではくれない。

やや剣閃を上げて縁に当たらないよう縁の武器だけを破壊する剣心。

答えを見つけた剣心は本当に強くなり成熟してしまった。

少年マンガというものは、はじめは弱い主人公が(はじめから強い場合もありますが)強敵やライバルと切磋琢磨して強くなっていくものですが、るろうに剣心では剣心唯一の弱点であった「心」が成長しきってしまいました。

なので続編の北海道編では「色々な所が弱い」新キャラが数名登場しています。どれも魅力的なキャラばかりなので、その昔「るろうに剣心ファン」だった方は北海道編もお見逃しなく!

 

凄さを解説

ここでは雪代縁が使う「倭刀術」の技についての解説を入れたいと思います。

 

蹴撃刀勢(しゅうげきとうせい)

下から刀で斬ると同時に足で刀を押し出して威力を増加させる技。

日本刀の速さと斬れ味に大陸特有のしなやかな動きと力技を融合させた技。

 

回刺刀勢(かいしとうせい)

相手の斬撃を柄の先端で受けて、その威力を相手に返す突き技。

本編では龍巻閃をこの技で返されて剣心は腕を負傷した。

 

掌破刀勢(しょうはとうせい)

てのひらで刀の腹を押さえて離した瞬間に鋭い斬撃が来る辺りが抜刀術に似ている。

剣心戦では不発に終わっているが威力は地面を深くえぐるほどの破壊力

 

朝天刀勢(ちょうてんとうせい)

地面に刺さった刀の上に乗って飛び、飛んでいる最中に地面に刺さった刀を抜いて空中の敵に一撃を入れる技。

掌破刀勢から朝天刀勢と連携して使用する事も出来る。飛天御剣流「龍翔閃」によく似ている。

 

戦嵐刀勢(せんらんとうせい)

低く沈み込み回転しながら遠心力を使って相手を斬りに行く技。飛天御剣流「九頭龍閃」と互角の破壊力と速さがある。

切れ味が鋭い刀でこの技を使用すると森の中でも、斬れやすい「ろうそく」のように木をなぎ倒せる。縁の大技の一つ。

 

疾空刀勢(しっくうとうせい)

跳躍して最高点に達した時に空中を蹴って、もう一度空中で加速する技。

テレビゲームで例えるならば「二段ジャンプ。」 他の技と組み合わせると強そうだ。

 

轟墜刀勢(ごうついとうせい)

刀で相手を持ち上げて、そのまま遠心力を使って相手を地面に叩き落とす技。

刀ではなく竹刀や棒を使っても出来そうだが、縁が使う轟墜刀勢は相手を斬りながら地面に叩き落とす。

 

倭刀術絶技 虎伏絶刀勢(わとうじゅつぜつぎ こふくぜっとうせい)

雪代縁最強の技。地面に深く沈み込み大地の反動を利用して攻撃態勢を維持したまま一撃を入れる技。

地味な技っぽく見えるが、飛天御剣流奥義「天翔龍閃」とは相性が良い。

 

狂経脈(きょうけいみゃく)

倭刀術ではないが雪代縁の切り札。全身の感覚が研ぎ澄まされて速さ・反応速度が劇的に上がる。

ただし全身の感覚が研ぎ澄まされる為、攻撃力は上がるが防御力が下がる。飛天御剣流「龍鳴閃」によって狂経脈は破られた。

 

謎めいたところ

落人群(らくにんむら)で度々登場した「オイボレ」は縁と巴の父です。

清里明良(きよさとあきら)を追い京都に来た巴だが清里は人斬り抜刀斎(剣心)に殺された。

清里は特に秀でている所が無い為に箔を付ける為、京都まで来たのだが祝言前に帰らぬ者となる。

巴は幼なじみの婚約者(清里明良)を殺した人斬り抜刀斎に復讐する為に「闇乃武(やみのぶ)」という暗殺組織を利用して人斬り抜刀斎の弱点を探す為、一緒に暮らす事となり剣心の弱点を探し始める。

巴が京都に来てすぐに縁も京都に到着したが、父であるオイボレは「幕末の動乱で娘と息子を失くして今はこの通り・・・」と言っています(第215幕より)が、戊辰戦争で一家離散する前に縁とオイボレとの間に何かがあったのでは?と謎が残ります。

もしかしたら戊辰戦争前に雪代家で何か事件のような事があったのかもしれません。姉である巴も追いかけてきた縁に「あなたは雪代家の長男でしょ」と江戸に帰る事を薦めているのです。

幕末の動乱が終わり明治11年。頬に目立つ十字傷があるとはいえ

  • 何故オイボレは「剣心=人斬り抜刀斎」だと気が付いたのか。
  • オイボレは娘(巴)の死をどこで知ったのか。また、最後を看取った旦那が剣心である事をどこで知ったのか(この事は維新志士の偉い者しか知らないはず)
  • 息子を失くしたと何故ウソをつくのか

が気になります。

縁が上海に渡りマフィアの頭目にまで上り詰めますが、陰でオイボレの手助け的なモノがあったのでは?また縁は、なぜ上海を選んだのか。

現在北海道編では、安慈や宗次郎含む十本刀や斉藤一含む新選組達が登場し、かつて志々雄真実が使っていた愛刀「無限刃」まで登場していますが、雪代縁が出てこないのです。

もしかしたら、神谷薫の父「越路郎」と同じように縁の父「オイボレ」の謎が明かされていくのかもしれませんが、北海道編は毎回本当に待ち遠しい。

雪代縁は「るろうに剣心本編」終了時に落人群で廃人同様になってしまいましたが、重要キャラであり何といっても強いので北海道編での復活を強く願っています。

文字だけでは分かりづらいので、るろうに剣心本編内で起きた「流れ」を書いておきますね

  1. 清里明良と雪代巴が婚約するが、清里明良は箔を付ける為に京都に旅立つ
  2. 雪代巴も婚約者の清里を追って京都に来る
  3. 雪代縁も姉を追って京都に来る
  4. 人斬り抜刀斎(剣心)に清里明良が殺される
  5. 復讐の為に雪代巴は暗殺組織「闇乃武」を使って人斬り抜刀斎に近づく
  6. 雪代巴は剣心の弱点を発見する。その弱点は「人斬りをするにはあまりにそぐわないその優しさ」である事を見つけ剣心を愛してしまう
  7. 人斬り抜刀斎は誤って愛する妻、緋村巴(雪代巴)を斬殺してしまう。その場面を雪代縁が目撃する。
  8. 人斬り抜刀斎に復讐する為に雪代縁は上海に渡りマフィアの頭目に上り詰める
  9. 明治11年、オイボレ登場。頬に十字傷がある剣心に妙に優しくする
  10. オイボレが「息子は失くした」と弥彦と操にウソをつく
  11. 剣心と雪代縁の闘いがある。その後、薫が巴の日記帳を縁に渡す
  12. 落人群で縁とオイボレ(縁と巴の父)が再会する

と、るろうに剣心を読んでいないと、おそらく分からないであろう流れでしたが、縁の父(オイボレ)は実は凄い人なのかもしれませんね。

 

雪代縁の残念なところ

雪代縁の凄さは狂経脈が出た時と通常時とでは「性質」がガラリと変わる点。

また剣心もそれは同じで「答」を出す前と出た後ではガラリと変わっているのです。

上記グラフはシゲルの独断と偏見で作成したものですが、大きくハズれてはいないと思います。

 

勘違いの凄まじさ

四乃森蒼紫が雪代縁の狂経脈は「生まれつきの異常体質 ある意味で天賦の才か」と分析しています。

この才能は剣心への恨みを栄養として育ったもので、確かに凄い能力なのだけれども「もっと平和的な利用は無かったのだろうか」と少し残念です。

もともと縁が白髪頭になってしまったのも「姉が殺されたのを目の前で見てしまったショックから」だったのですが、この勘違いがなければ上海に渡って悪い事をする事も無かっただろうし、復讐にこだわる事もなかった。

もしかしたら人誅編で一番気の毒だったのは雪代縁だったのかもしれません。

しかし、マンガ的に見ると「勘違い」が無ければ十字傷の謎が明かされる事もありませんでしたし、剣心の心を攻撃してくる強敵も生まれませんでした。

雪代縁には気の毒ですが「るろうに剣心」というマンガが出来上がっていく上で、彼の悲惨な過去は無くてはならないものだったのです。

 

縁も「答」を出す事により性質はガラリと変わる

雪代縁の勘違いは凄まじいもので、その勘違いのショックから落人群で抜け殻のようになりますが、落人群で少し前に抜け殻のようになっていた剣心も「答」を見つけて復活し「心・技・体」ともに成長しました。

縁の答えの出し方のヒントは本編で少し出ているのです。縁の「答」は縁の中に居る巴が微笑む事。

それをするには縁自身が微笑まなければなりませんが、るろ剣ファンの私としては北海道編で「答えを見つけた縁」を見れるのでは?とワクワクしていたりします。

たぶん「すんごくいい奴」になって再登場すると思いますよ。

 

自作ストーリーを考えてみた

自分が、とんでもない勘違いをしていた事に気づいて落人群で抜け殻のようになってしまった雪代縁。

無力になったとはいえ警察が、大陸から武器の密輸をしていた雪代縁を放っておく訳がありません。

ここからは警察官、藤田五郎(斉藤一)目線で何か書いて行こうと思います。

 

「水風呂の神様」

あれだけ「暑い暑い」と呟いていた時期がウソだったかのように「そんな時期もあったな」と感じる時がある。

ちょうど11月にさしかかる頃が、その時だ。

俺の職場の制服。つまり警官の服は、とても良く出来ているのだが良く出来すぎていて夏場はとても暑い。

暑い夏場は汗ダラダラで帰宅すると風呂釜に水を張って水風呂に入るのが俺の楽しみになっている。すると、すんなりと眠りにつく事ができるのだ。

身体がちょうど良い具合にひんやりと冷えて、とても気持ちが良い。

この気持ちが良い状態で枕を高くして寝ると質の良い眠りを得られるのだから、これはもう「水風呂の神様」からの贈り物に違いない。

浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返しているうちに夢を見る事がある。

良い夢なら大歓迎なのだが、見る夢は大抵は、あの憎い抜刀斎が出てくるような夢だ。

抜刀斎に向かって左手で日本刀を構え、俺の「牙突」を繰り出すと俺の突きは避けられ右側面に回り込まれて後頭部に逆刃刀の一撃を入れられる。

逆刃刀は斬れない刀とはいえ鉄の塊みたいなもんだろう? 後頭部に受けた逆刃刀の衝撃で目の前がバチッと光り、その瞬間全身汗まみれになって目が覚める俺が居る。

神谷道場での例の一件は文字通り「悪夢」なのだ。

 

そういえば最近こんな夢も見た。

雪代縁の件だ。

警察署で署長から頼まれて行方不明になった雪代縁を探していた時に部下から「落人群(らくにんむら)」に雪代縁らしき人物が居る。と報告を受け俺はすぐに向かった事がある。

これがおそらく俺にとって東京での最後の仕事になるだろう。

落人群は、この世に絶望した者達が集まるような場所だから異臭が半端ないんだよ。臭くてたまらん。こいつらの汚れを取るために水風呂に突き落として下さい!と水風呂の神様にお願いしたいくらいだ。

落人群の中をウロウロしていると死んだ魚の目をくっつけたような顔をして全身傷だらけの白髪頭の若い奴が膝を抱えて座っている。

ああ、奴だ。

あれだけ抜刀斎の奴を刺激して「人誅」という名の復讐を仕掛けた張本人が、復讐は自分の勘違いであり取り返しの付かない事であった事実を受け入れている場面を見ると笑ってはいけないが口元が緩んでしまう。

俺は落語が好きでヒマが出来ると見に行き帰りに蕎麦をすするのが、この上なく楽しみな1日となっているのだが、落語でも特に「井戸の茶碗」は飽きる事が無い。

井戸の茶碗は有名なので、もし俺が知らなかったとしたら何らかの方法を使って調べるだろう。

あの井戸の茶碗を見た直後のように、膝を抱えた雪代縁を見ると笑いがこみ上げて来る。金魚鉢に入っている金魚を眺めながら少しだけ鉢を揺らしてやると目をギョロッとびっくりさせた表情をさせながら、ゆらゆらと揺れている金魚を見た時の「あの感じ」に近い。

なんだか滑稽なんだよ。

そういや、こいつは抜刀斎と同じくらい剣術の才能があってマフィアの頭目にまで上り詰めた奴だったな。

俺が警官でなければ、こいつを捕まえて大陸にでも売り飛ばしてやるのに。

井戸の茶碗のように、こいつの隠し倉庫とかから小判が出てくるかもしれない。

でもこれは仕事だ。雪代縁が何かまた悪い事をする前に捕まえて牢にでもぶち込んでおけば一件落着なのだが署長の命令は、あくまで「雪代縁の所在をつかんで様子を伺う所」までだったのを思い出したよ。

こういう人生に絶望してしまった者は何を考えているのか、さっぱり分からん。

抜刀斎や神谷の阿呆娘のように表情や仕草で示してくれると分かりやすいのだが、こいつの場合は文字通り「何を考えているのか分からない」。

いや、こいつ目線で言うと「何を考えて良いのか分からない」になるのだろうか。

「何を考えて良いのか分からない」者は第三者が見たら「何を考えているのか分からない」になる。見た目は一緒なんだけれどもな。

少し治療が必要そうな精神的混乱といった所だろうな。

背中を軽く押してやるくらいの手助けはあってもいいだろう。だがな「答」を見つけて立ち上がるのは自分自身に他ならない。

 

かといって変に刺激して自害されても困る。俺が署長に怒られる。

こいつは俺にとって「生きる不発弾」のような存在だ。阿呆の左之助が沈めた煉獄のような結果になりかねん。

そんな白髪の不発弾を見ていたら、赤い髪の不発弾も思いだした。

そういや抜刀斎も神谷の娘が殺されたと勘違いした時は同じ落人群で刀を封印して、同じような状況に陥っていたっけな。

とりあえずは白髪の不発弾も赤い髪の不発弾も炸裂すると危険なので水風呂にでも沈めておくのが一番かと思うのですが、水風呂の神様はどうお考えでしょうか。

いえ、むしろ赤い髪の不発弾は重しを付けて東京湾に沈めておくのが一番かと思うのですが、実行に移しても宜しいでしょうか。

と考えながらウロウロと雪代縁の周囲を歩き回って様子を伺うのだが、白髪の不発弾はボーっと地面を眺めているだけで動く気配すらない。

やはりこいつも赤い髪の不発弾と同じ感じのようである。何か「答」を見つけないと立ち直れそうにない。

それが何なのかは俺には分からないが、こいつには俺には無い「若さと行動力」がある。きっと立ち直れるだろう。

答はきっと、その姉が残した日記帳がヒントをくれるさ。

と、警察署に戻り署長に報告をすると帰宅許可を頂けたので、帰宅して水風呂に入り日本酒を飲んで眠りについた。

深夜に厠(かわや)に行きたくなったので厠で用を足していると、その時に長い夢から目が覚める。

厠で用を足す夢を見ると俺の場合は大抵は目が覚めた時に後悔しているのだ。

水風呂の神様も毎回酷い仕打ちをなさる。また布団が水浸しではないですか。

いつものように家を覗き込む近所のご婦人の皆様から噂されてしまいます。

現在の俺にとっての「悪・即・斬」は厠で用を足す夢のようである。

関連記事:マンガるろうに剣心斉藤一キャラ解説(ネタバレ注意)

 

アニメ化について

引用元:佐々木望OFFICIAL WEB SITE

アニメで雪代縁を演じたのは佐々木望さん。

るろうに剣心の第三部、人誅編は実はアニメになっています。

ただしOVAでのDVD販売だった為、本編とはかけ離れた内容となっており内容も暗いので、これは地上波放送できないでしょう。

剣心との最終決戦は似ている所はありますが、巴と薫がかぶって見えて剣心と闘うのを放棄する縁。

剣心との最終決戦は中途半端に終わり「お前の答え、闘いの人生とやらをこの眼で見届けてやる」と言い雪代縁は去ってゆきます。

OVAでは剣心の成長した子供「剣路」も出てきて真の強さを探す為に悩みます。剣路が辿り着いた先が飛天御剣流。

還暦近い比古清十郎も出てきます。飛天御剣流は俺(の代)で終わりだ。と言い剣路に飛天御剣流伝授を拒むのです。

OVAの最後は病気に身体を蝕まれた剣心が死んで十字傷が消える。というあまりのオリジナル設定と暗さ!

本編とのギャップを楽しみたい方は「るろうに剣心 星霜編」をどうぞ。Amazonなどで販売されています。

OVAで雪代縁を演じた佐々木望さんを紹介です。

佐々木望プロフィール

【名前】 佐々木望

【生年月日】 1967年1月25日

【出身】 広島県広島市

【所属】 インスパイア

 

実写化について

引用元:新田真剣佑オフィシャルファンクラブ

現在世間を賑わせている映画「るろうに剣心 最終章」に雪代縁役で登場しているのが、新田 真剣佑(あらた まっけんゆう)さん。

実は私、シゲルは流行病が怖くて映画をまだ見に行っていないのです。(2021年6月現在)

何しろ「真実と現実を知り 類似品を見極める!」という使命が残されているので、ここで朽ち果てる訳にはいかないので流行病が終息したら映画を見に行くかDVDを購入します。

どんな演技をされているかは「予告編」を見るだけでも原作にかなり忠実になっているのではないかと。

そして注目する点が「年齢と身長が原作の雪代縁とほぼ同じ」という点。

狙ってやったのかどうかは分かりませんが「誤差の範囲」なのです。体型もスリムで原作に忠実!

雪代縁を演じた新田真剣佑さんのプロフィールです。

新田真剣佑プロフィール

【名前】 新田真剣佑

【生年月日】 1996年11月16日

【出身】 アメリカ合衆国 カルフォルニア州 ロサンゼルス

【所属】 ルイアンドリーブス

予告編しか私は見れていませんが、体型もアクションも素晴らしく新田真剣佑さん演じる雪代縁を早く見たいです!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?雪代縁。

かつて剣心に殺されたと勘違いした姉の復讐の為に大陸に渡りマフィアの頭目にまで上り詰めた行動力と執念。

剣心に敗北し姉の日記帳を見て廃人同然になってしまった雪代縁ですが、彼は必ず立ち上がります。

誰かが縁の背中を軽く押してやるくらいの手助けやヒントはあっても良いかもしれません。しかし「答」は自分の中にあるので、これから縁がどう葛藤と立ち向かうのか番外編が作られれば絶対に見たい!

自信の作り方は成功体験の積み重ね。信頼を作るものも信用の積み重ね。

雪代縁は読者との間に、ある程度の信頼が出来上がっていますので、るろ剣ファンは彼が「答」を見つけて帰ってくるまで皆で縁を応援しましょう。

そして我々も剣心や縁と同じように「答」を見つけて強くなり、皆でこの国を良くして行こうではありませんか。

それでは今日も素敵な1日を!

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