スラムダンク の仙道彰といえばそのゆるい感じの見た目と相反しながらも他のプレイヤーが唸るほどの圧倒的なバスケットボールセンスの塊が魅力的ですよね。
これを知ったうえで再度マンガを読んでみると、今までとは違った目線で仙道彰というキャラクターを楽しむことができますよ。
仙道彰を好きな人と語り合ったら、話が弾んで今まで以上に仲良くなれることは間違いありません。
では、仙道彰がどういったキャラクターなのかを見ていきましょう。
仙道彰について意外だったこと
仙道は湘北の身近なライバル、陵南高校の2年のエース。桜木と流川からしたら1年先輩にあたるわけですね。
あと1年は、冬の選抜・インターハイ・国体、仙道が残れば冬の選抜に関しては2回対戦します。
初めての練習試合で、湘北のエース流川からすれば高校バスケの洗礼を受けたプレイヤーです。
陵南は全国の経験がないので、仙道も高校1年の時点で全国のレベルは知らないとはいえ、すでに神奈川県では名の知れたプレイヤーでした。
それもそもはず、1年の夏・インターハイ予選でvs湘北戦において一人で47得点を挙げる、ぶっちぎりの大活躍をしたのです。
2年でCの赤木も魚住を抑えることが出来たものの仙道にはたくさんの煮え湯を飲まされまくったに違いありません。それは小暮も同じ感想でした。
そんな仙道ですが、あっさりと負けたことがあると自供しています。
流川がインターハイ直前に道場破り状態で陵南の体育館に仙道を訪ね、そのまま部活を放棄してストリートバスケでひたすら1on1。
見ず知らずの少年たちからは、プロに見えたほどだとか。
帰り際の流川から「全国にはお前より上のプレイヤーはいるか」という質問に、「いるよ」とあっさり白状します。
そう中学生の時に何らかの形で、後の最強・山王のエースをはる沢北と戦っていたというではありませんか。ここはひねり無しに沢北vs仙道という図で間違いないでしょう。
試合の勝敗はわかりませんし、1on1でのスキル・チームの差等描かれていない為、基準もあいまいでどういったものかは明確にはわかりません。
が、仙道個人が確実に上だというプレイヤーは『沢北』以外には現状いないということです。(牧のことは、いったん横に置いといて)
当然中学時代に全国47都道府県のチームと対戦できるわけもないし、高校になってバスケを続ける者・辞める者、覚醒する者、ケガで戦列を離れる者がいるので基準が何なのかはわかりません。
しかし、天才と呼ばれ神奈川No.1の牧が同等だと認めた男が上だと言わせたことがある事実がスゴイのではないでしょうか。
仙道彰のプロフィール
県ベスト4、神奈川県インターハイ予選ベスト5にも選出。神奈川県立陵南高校バスケットボール部2年。エース・仙道彰のプロフィールをチェックしていきましょう。
名前:仙道彰(せんどう あきら)
性別:男性
生年月日:不明
血液型:不明
性格:ゆるい(特に時間にはルーズ)
身長:190cm
体重:79kg
好きな食べ物:不明
嫌いな食べ物:不明
趣味:海釣り
口癖:さぁ 行こーか
弱点:気まぐれで、相手が強くないとなかなかやる気スイッチが入らない
その他特徴:感情の起伏が低く、沸点も低い
声優:大塚芳忠
実在の人物モデル:不明
スラムダンクの大まかなストーリー
中学生の頃ヤンキーだった主人公・桜木花道。学校の帰り道に制服デートしたいという可愛い思いから、告白した50人目の相手に『バスケ部の小田君が好き』と断られてしまいます。その日から桜木にとってバスケットボールはタブーになりました。
季節は春――。県立湘北高校に進学した桜木は『バスケットはお好きですか?』と早速タブーにふれられてしまいます。ところが声を掛けられた赤木晴子さんにまさかの一目惚れ。この一目惚れをきっかけに、体躯がいいヤンキー上がりの桜木がバスケットボールをはじめます。
とにかく純粋でまっすぐ。粗野で乱暴者で目立ちたがり屋の桜木がバスケットボールを通じてプレイヤーとして人として成長し、一くせ二くせあるチームメイトとともに高校バスケットボール界最大のタイトル・インターハイの頂を目指します。
仙道彰に対しての熱い想い
陵南高校は、主人公・桜木花道が湘北高校に入学・バスケ部に入部してから初めて対戦する高校です。
そして、陵南高校のエースをはる仙道の描かれ方はまさに “ 華麗 ” という言葉がピッタリでした。
どう考えたって、湘北のライバル校だけど気になってしまいすぎる天才・仙道を掘り下げていきたいと思います。
一番好きなところ
導入文でも少し触れましたが、仙道の好きなポイントと言えば圧倒的バスケットボールセンスの塊のような人でかつギスギスしていないゆるさがポイントですよね。
かといって、山王の沢北のように負けたことがないという意味合いでプライドが高すぎるわけではなく、どうやらプライドや感情をコントロールできているよう感じます。
相手のレベルにより本気のスイッチの入りの悪さは多少あるものの、相手に八つ当たりすような気分のムラがなく冷静で洞察力が高く、その時その時の最大限を上手く引き出すことができる試合運びをしている印象が強いです。
事実、スタミナの使い方も非常に上手く練習試合でも桜木が出てきてから息が上がっていました。
人当たりもまずまずで、ライバルからの挑戦を受ける柔軟性。更には敵に塩を送る(ライバル校である湘北の流川や桜木に対してもアドバイスができる)とても、器が大きいといえます。
勝敗にはこだわるものの、あからさまにガツガツはしないのは特に女性にはスマートに見えるかもしれません。
外見のポイント
バスケットボールをしているということもあり、身長190cmは日本人男性の平均身長よりはるかに大きいです。それに加え髪型が逆立っているためトータル200cmぐらいにはなるでしょうか。
ところが、表情がわりとやわらかいので威圧感はそんなにないのではないかと思われ、スラムダンクのキャラクターでは美形キャラのクラスに堂々と足を踏み入れることが出来ます。
その証(?)に下まつげが長いのが特徴です。
vs海南戦で牧をも飲みこむ勢いの時に、女性の観客が黄色い声援を送っていたのも印象的でしたよね。
歩んできた人生
陵南高校は神奈川の県立高校です。そして、バスケ部・顧問の田岡茂一監督が東京で見つけた逸材が仙道でした。
東京の一プレイヤーをひっぱってくるとは、よほど光るものがあったに違いないのでしょう。
スポーツ推薦の越境入学も現実的によくあることなので、てっきり陵南は私立高校だと思っていました。
公立でも越境入学はあるようですね、そりゃそうか。
また、山王のエース沢北と対戦していたことがあり、勝てなかったと言っていました。
これが、仙道にとってのバスケによる挫折だったとすると、後々にいい経験なのではないかと思います。
スポーツ選手のインタビューを見たり読んだりすると、ほとんどの方が通ってきた道なように思います。大物への第一歩でしょう。
目的としていること
湘北内で主人公・桜木のライバルというのが流川なんですが、それはあくまで身内の話です。
仙道は他校のエースとして明確なライバル・敵として描かれています。
それまでは、流川が1年生にもかかわらず何でもできるスーパールーキーだったのに対し、陵南との練習試合により流川の上をいく超高校級として描かれたのです。
何よりも、インターハイをかけた決勝リーグでの海南・牧vs陵南・仙道の戦いはとてもとても見ごたえがあり過ぎて(主人公が一切出ていない試合にも関わらず)ワクワクしました。
仙道なら本当に牧を食えるんじゃないだろうかと思ったもんです。
ラストワンプレイの仙道のシナリオは胸アツの素晴らしい演出でしたよね。
ただし、改めて感じたのはバスケットボールが個人競技でなく団体競技だということ痛感させられたのも印象的でした。
性格について
物事に対して全体的に大らかなイメージがあります。
物語の初登場が練習試合で寝坊をしたと素直に言い訳する姿は田岡監督やキャプテン魚住の怒りを通り越して呆れさせるという技を持ち合わせていました。
ものは言いようですが、時間にはルーズです。
湘北の1年の桜木と流川を注意しつつも、かなりお気に入りなプレイヤーとして認識している様子がうかがえます。
桜木に対しては抽象的にではありますが自身を超えたければ必死で練習してこいと伝え、一方流川に対してはインターハイ前に練習をサボり1on1に明け暮れていました。
勝敗より純粋に流川との1on1を楽しむことを優先しています。
しかし、去り際に過去に負けた相手の名前と流川の弱点を伝えていました。どう考えても、この二人とはあと1年神奈川県の県予選で障害にしかなりえないのにもかかわらずです。
さらに沢北の名前を北沢と言ったあたり、負けたことがあっても高校に入って陵南でエースをはり牧と堂々と渡り合っているので、きっちりと乗り越えてきてるようです。
決して負けた相手のプレーを忘れたのではなく名前だけを忘れていると思いたいですね。この辺はやっぱりおおらかなのでしょう。
実際、北沢も沢北も両方ある苗字ではあるのでしょうがいないのか!?
普段の行動
ぶっちゃけ謎です。そもそもスラムダンクのストーリーで主人公の桜木花道ですらプライベート的なことはほぼ描かれておりませんでした。
そんな中、ライバル校のエースの日常が描かれるはずもなく。
どんな学生生活を送っているのでしょうか。本文は学生のはずなので、成績もどんなもんなんでしょうかね。
ただし、部活はサボり気味で趣味の海釣りによく行っているようです。
鬼の田岡監督をかわし、部活をサボるのも大物の証なのですが、試合になると仙道が交代されるところは見たことがありません。
エース故に、上に行けば行くほどマークが厳しくなるし、自身がしなければならないことも増えてくるようですがスタミナ切れを起こしたことがない(温存の交代はありました)のではないかと思われます。
ファウルも取るより取らす方が上手いですし、練習試合を見る限り集中力の入れ方で最後をきっちり締めることも忘れていないようです。
また、海南との延長戦も負けたとはいえきっちり戦い抜いています。
うーん、忌々しい天才め。
名言・名シーン
さて、主人公・桜木花道擁する湘北高校のライバルであり宿敵陵南のエース仙道ですが、他校生とはいえ非常に人気は高いキャラクター。
彼の人となりがわかるであろう、名言・名シーンを振り返っていきましょう。
≪ 名 言 ≫
寝坊です
初登場にしていきなりの寝坊はやはりインパクト大。で、きっちり逆立ったこの髪型。髪型のセットする時間があるのであれば、そのままで来るべきだと思うのだが、そこは誰もつっこまないんですね。優しい。
完全版3巻
93P
#26 秘密兵器と呼ばれて
さあいこーか
お馴染みの口ぐせです。それにしても、寝坊からこのセリフの間にすでにユニフォームに着替えている状況がすごいですね。彩子さんは男性の裸を見慣れていらっしゃるのだろうか。なるほど、おおらか。
完全版3巻
95P
#26 秘密兵器と呼ばれて
そうこなくっちゃよ スーパールーキー
陵南vs湘北。仙道vs流川。練習試合とはいえ運命づけられた試合だったに違いありません。余裕とは違う勝負師としての楽しみ方でしょうか。バスケが好き。勝負が好き。そういった表情。
完全版4巻
77P
#37 ゴリのいぬ間に
あわてるこたーない おちついて攻めよう
ゲームも終盤。湘北の追い上げムードの時に、キャプテン魚住でなくエース仙道の一言がいつも陵南を県下トップクラスのチームと引き上げるんですよね。水を差すでもなく、鼓舞するわけでのないのにこの説得力は何でしょうか。
完全版4巻
116P
#39 リバウンド王の苦悩
ふーっ やるなぁ湘北 オッケー
仙道はけっこう表情豊かです。笑顔がいちばん多いとは思いますが。このセリフの時の顔の締まり具合がこの試合においてもっとも集中している時だと思われます。赤木と小暮からしたら47点のデジャヴュ。
完全版4巻
155・156P
#41 天才
さあ来い 1年坊
この一言を言えば、確実に火をつけることをあえて言うんですよ。そりゃ学年も1つ上ですしね。仙道のプレイは高水準で楽しんで勝つということが根底にあるような気がします。練習試合だからこそ許されるのかもしれませんが。
完全版4巻
212P
#44 仙道君です
オレを倒すつもりなら… 死ぬほど練習してこい!!
桜木へのアドバイスはとても抽象的ですが、将来的に流川・桜木をライバル視しているのではないかと思われますね。桜木の握力の負傷により、翌日の練習を堂々とサボりそうな予感。
完全版5巻
63P
#48 NOTHING TO LOSE
まさか1回戦敗退なんてことは…(ねーよな…)
練習試合とは言え、苦しめられた湘北に昨年のベスト4である三浦台に負けられてしまうとやや複雑。呑気に自販機でアクエリ買ってる場合じゃあない。そんでもって練習試合の情報もきっちり海南にも筒抜けのようで。
完全版7巻
117P
#74 問題児軍団
派手な奴だ………!!
インターハイ予選が始まりライバル校の視察。練習試合で苦しまされた湘北の緒戦を観戦して、大活躍する流川に予想通りのパフォーマンスに相変わらずどこか嬉しそう。
完全版7巻
178P
#77 ROOKIE SENSATION
それで…翔陽の4番はもう出た…?ノブナガ君
海南の無礼者・清田信長で陵南のプレイヤーがイラついているにもかかわらず、どこ吹く風で藤間の存在を確認するのは図太いからなのか、一応の海南の1年でも敬意をはらっているのか、いやどっちでもないな。
完全版8巻
196・197P
#89 翔陽高校#4
ボックスワンだ
ユルいイメージですがなかなかの観察眼もお持ちのようで。陵南選手の中で翔陽のディフェンス陣形の変化を誰よりも気付くのが早かったですね。これが、天才オールラウンダーたる由縁なのか。
完全版9巻
38P
#92 勝ちに行く
なーにを縮こまってんだ桜木
本当に残念そうに眉尻が下がりながら言ってますね。本当の桜木の怖さを知ってるからこそ、素人でもその身体能力の高さを知っているからこそ、全力でぶつかって欲しいんでしょう。体感として、桜木は翔陽の高さに勝てなくないこと知っているので。
完全版9巻
95P
#95 4ファウル
また成長したな… 二人とも
インでもアウトでもどこでもござれのハイスコアラーの流川とリバウンドの能力がこれでもかと開花した桜木の成長を目の当たりにして、気分はすっかり『オラ、ワクワクすッぞ』状態。そして、まだまだこの時点では陵南が上だという確信もあるようですな。
完全版9巻
115P
#96 ROOKIES
なに!?
セリフよりも、その驚きの表情が物語っているという感じです。いち早く、陵南は武里を下し敵情視察をかねて海南vs湘北の試合を見ているので、桜木の締め出しに赤木のケガのプロセスを見ずノリノリの流川をかつ牧を抜く流川を目の当たりにするわけですね。相田姉弟も『アンビリーバブルや!』叫んでます。
完全版11巻
43P
#114 RULE THE GAME
一人だけいますよ まだ元気な奴が……
確信以外の何ものでも無し。対戦した時とインターハイ予選を見る限り、桜木のスタミナの意外性がお気に入りのようなので、もう一波乱起こして欲しい。いや、起きるだろう。こっちは根拠なき確信かな。ここで、湘北が勝つのもまた一興。
完全版11巻
162P
#120 SILK
行け
バスケ初めて3か月の桜木vs帝王・牧の一騎打ち。みんなが心配で心配で仕方がないからパスを回せと思っているのに、仙道だけがGOサインなんです。勝てる見込みがあったのか、はたまた高みの見物か。ちょっと愉快犯っぽい。
完全版11巻
201P
#122 元気な男
あいつは なんか勝負したくなる気をおこさせるんですよ…
バスケ初めて3か月の桜木vs帝王・牧の一騎打ちアゲイン。牧が吹っ飛ばされて唖然としていました。そして、もしこれが仙道ならああしたかもではなく、確実に勝負したでしょう。個人じゃ許されるけど、バスケはチーム競技なんだよな。
完全版12巻
111P
#130 天国と地獄
まいったな…
余計なこと言わないで下さいよ、魚住さんてな感じで続きそうな気がしますが。それくらいの気概がないと海南を牧を倒すことが出来ないし、全国の道も見えてこないということなんですよね。言葉にせずとも、行動で示せますから。
完全版13巻
71P
#140 奇策
さあいこーか
出ました。絶妙のタイミングで、チームに冷静と落ち着きをもたらせる仙道の口ぐせもとい魔法の言葉。海南から押されタイムアウトを取らざるを得ない状況を、コート内で納めることが出来るのは並大抵のことではできません。
完全版13巻
139P
#143 海南WAVE
そうこなくちゃよ………!!(ニコッ)
セリフと言葉の矛盾です。それに神に3Pを決められた後にこのリアクションが出来るのって、強心臓というべきか。やっぱり、陵南の選手の中で確実に群を抜いてると改めて確信させられます。だからこそ、仙道に惹かれるのかな….
完全版13巻
143P
#143 海南WAVE
ふうっ… こりゃしんどい…
1年生だった点取り屋の頃よりもvs牧を見越してディフェンス力を上げてきた仙道。しかし、やはりそこは帝王・牧。攻めあぐねながらも、きっちりと自身のPGとしての役割と力を存分に発揮します。ほんとに、この二人は1学年差か?
完全版13巻
153P
#144 全国への道
全国への道はなかなか厳しい…
牧を中心に本来の海南の姿に飲み込まれつつある陵南。そして2mを超えるCでキャプテンの魚住の離脱。陵南、仙道において絶体絶命のピンチです。牧も仙道を勝っているようなので、あえて試しているように見えます。
完全版13巻
163P
#144 全国への道
いーーや やってやる!この試合中に1本!
神奈川バスケファンならたまらんシーンでしょうけれど。各チームのベンチの心境からしたら、心臓バクバクもんでしょう。仙道のダンクをディフェンスできる牧の身のこなしはすさまじいことこの上ないですね。
完全版13巻
179P
#145 スーパースター対決
ちくしょう…
同点のまま決戦は延長戦に。この言葉は誰にも漏らせず、ただ心の奥底で呟いた一言。魚住がいない陵南の攻守の要となり期待を背負い続け40分、海南と牧と戦い続けた仙道だからどうしても40分で決着を着けなきゃならなかったんです。
完全版13巻
214P
#147 仙道のシナリオ
おかしいのはこいつだ…… 流川……
前半終了の時点で、流川の得点が2点。陵南ベンチは気付いていませんが、相対している仙道は前半20分の流川のことが不思議で不思議でしょうがなかったことでしょう。スタミナを削られた植草に対する気遣い等、流石の洞察力。
完全版15巻
39P
#162 2nd HALF
最初(ハナ)から後半に全てを賭けるつもりだったのか…
数少ないの流川の弱点一つは爆発的なオフェンス力を40分間維持できないこと。しかし仙道一人の判断で流川をつぶし切ることはやっかいなわけで。さて、化けキツネが本格的に牙をむき出したところで牧に並び立った男も黙ってません。
完全版15巻
42P
#162 2nd HALF
技が増えてやがる
ようやく仙道vs流川の1on1の始まりですが、いりなり流川にやられちゃいました。抜かれてるのに笑顔を絶やさないのは仙道の悪い癖にも感じます。
完全版15巻
51P
#163 沈黙の前半
ウソォ!?
流川に抜かれた上にワンスローを献上と、めずらしく負の感情を出す仙道です。このリアクションは貴重じゃないですか。そのあとのショボくれ具合もなかなか可愛いですが、流川との勝負がどんどんヒートアップして楽しいですね。
完全版15巻
62P
#163 沈黙の前半
ゲッ
新しいリアクションその②というべきでしょうか。ここだけ切り取ると普通の高校生ですね。流川の速いシュートで誰もが入らないと思ったボールは籠へと吸い寄せられました。藤間の言う通りマグレでないと天才のディフェンスもさらにギアを上げないといけません。
完全版15巻
78P
#164 エース
やっぱ勝負はこうでなくちゃいかん
仙道のイイ笑顔=悪いクセな感じがします。ですがそこは勝負師。この時点では流川より仙道個人の方が1枚も2枚も上手な気がします。それは経験だったり、視野の広さだったり。バスケセンスで言えばファンの贔屓目になってきますが。
完全版15巻
83P
#164 エース
まだあわてるような時間じゃない
またしても4ファウルで魚住をかき湘北に押される展開の陵南。でも、陵南には仙道がいるんです。その一言で自身のチームには落ち着きを、相手のチームには脅威に陥れる言霊を持っているのです。魔法使いか?
完全版15巻
174P
#169 リバウンド王・桜木奮闘
点を獲りにいってやる
陵南のフロントライン復活。普通はこんなセリフ言ってもなかなか行動が実を結ばないのですが。残り時間だろうと相手が神奈川No.1のスーパールーキーだろうと、そんなの関係ないくらいにスイッチが入りました。
全版16巻
43P
#174 BLUE COLLAR
いくぜっ
いつまでも流川との1on1ばかりを楽しんでる場合ではありません。この試合に勝たなければ全国はありませんので。この段階でもディフェンス力が高く、きっちりスティールしてくるあたり、集中力が増してるようです。
全版16巻
63P
#175 主役
2人抜きだな
めちゃくちゃ楽しそうです。実際、こういう時の仙道はピンチでガチガチにならずに楽しむタイプのプレイヤーではあるのですが。また、湘北のルーキー二人を挑発するのも悪いクセですね。この悪癖を減らすと、少しは楽に試合が運べるのではないでしょうか。
全版16巻
71P
#176 不安要素
この野郎…
はやくヘバレ。今更ながら井上先生の付けたしって、けっこうおもしろいんですよね。はやくヘバレに関しては隠す気もない本音なんでしょう。でも、笑っているのはどうなんだい?って思ってしまいます。余裕の現れか。
全版16巻
78P
#176 不安要素
おもしれぇ……!!
いや、おもしろがってる場合じゃないんだ仙道!というのが、田岡監督と陵南ベンチの総意だと思います。キラキラの湘北の1年坊主ですが、もはや流川はただのルーキーにあらず。牧曰く共通点は気まぐれ同士のエース様。
全版16巻
101P
#177 点取り屋
4点か…
湘北の選手層の薄い控え選手の3P。残り時間を考えて得点差は大きいさよりも、追い上げムードの中追い上げ切れていないから足元をすくわれていると考えるべきなのか。渋い表情です。
全版16巻
223P
#183 メガネ君
はて…?何で勝負してたんだっけ
釣りをせず、めずらしく部活に行くと流川に拉致られストリートで1on1にあけくれる。理由は特になく、ただ流川との対決が楽しくて、我を忘れて夕暮れまで。完全に楽しさを優先しました。
全版23巻
55P
#257 チャレンジ2
北沢………
仙道が唯一勝てなかった選手が判明いたしました。北沢です。これ、クールにカッコよく決めてるんですが、正解は沢北でした。惜しい、残念!!
全版23巻
58P
#257 チャレンジ2
お前は その才能を生かしきれてねえ
天才・仙道が認める流川に明確なアドバイスです。このアドバイスを生かすも殺すも流川自身。未来のライバルに優しいアドバイスをしているのか、それとも面白そうだから自らの手で育てているのか。たぶん、後者。
全版23巻
77P
#258 布石
1対1もオフェンスの選択肢の一つにすぎねえ それがわからねえうちは おめーには負ける気がしね―――
流川に対する具体的なアドバイスです。そしてこの言葉を理解し行動に移したとき、流川が確実に一皮むけることを確信し、次なる冬への勝負を行うわけですが。井上先生、続きは?
全版23巻
80P
#258 布石
≪ 名シーン ≫
流川のディフェンスを交わすバックパス
2面ブチ抜きでバックパス描いてるんですよね。それすなわち、湘北にとって陵南の最大の脅威は仙道であることの証明だと思います。素人目でもわかる、仙道には後ろにも目がついている。
完全版3巻
132・133P
#28 ドトウの陵南
からのワンハンドダンク
2本パスを出した後、スタイリッシュに決めたワンハンドダンク。完全に流川を置き去りにしております。この試合を見る限り、あまりスロースターターのイメージはわかないのですが、寝坊した割に調子は良さそうです。
完全版3巻
154・155P
#29 超高校級
ハチミツ漬けのレモンを食べる
試合の合間に食べれるハチミツレモンはプレイヤーの特権。監督激のさなかに190cmの大男がしゃがみ込んでレモン食べてます。あげく、対戦している体感で湘北がいち早く大化けするチームだとも把握しています。ハーフタイム中にしてもユルい。
完全版3巻
208P
#32 危険人物
どこまでもさわやかに桜木を挑発
後半開始、わざわざベンチの桜木を挑発するんですよ。これがまた、嫌みなくらいカッコいい。にしても、この時点で桜木のどのあたりを買ったんでしょうかね。ただの興味本位か。
完全版3巻
220P
#32 危険人物
ビックリ仰天!!開いた口が塞がらない。
昭和的な表現にて失礼。これは本当に想定外のリアクション。桜木が緊張のあまりガチガチでそのまま魚住に覆いかぶさりました。何かやってくれると思ってたけれど、これじゃないんだよこれじゃあ。
完全版4巻
18P
#34 主役登場!!
赤木の力に負けないワンハンドダンク
赤木のディフェンス力は高さ・パワー・プレッシャーと県内屈指。その赤木からワンハンドダンク奪える仙道の攻撃力はまさに華麗。これがまた陵南に勢いを与えるんですよね。赤木に取っちゃ、去年の夏の二の舞状態。
完全版4巻
160P
#41 天才
桜木の速さをいなすジャンプシュート
190cmの高身長にも関わらずドリブルも速い仙道ですが、速攻からのレイアップシュートでなくジャンプシュートに切り替えたのがシャレオツです。早々に桜木の能力を見抜き速さと高さを警戒しての判断のようですね。
完全版4巻
176P
#42 負けず嫌いは止まらない
息が弾む仙道
天才・仙道は相手の力量に合わせて無意識に力加減をコントロールすると解説にありましたが、ド素人・桜木と対峙してから息が上がってたんですよ。それはテンションの高さだけでなく桜木の運動量が天才を刺激したんでしょう。さすが彩子さんEye’s。
完全版4巻
182P
#42 負けず嫌いは止まらない
ここぞとばかりに嬉しそうな表情
残り2分切って、エース流川・素人桜木のダブルチームに新しいおもちゃが与えられたような無邪気に眉尻が下がりまくっていることが末恐ろしい。凡人にはこの状態でどうやれば喜びになるのかさっぱりです。
完全版4巻
199P
#43 ラスト2分
気を抜いたフリ
スキがないのであればこちらから作ってやればいい。この “ フリ ” がド素人・桜木には効果絶大でフェイントになったわけですね。他のプレイヤーだって気を抜いた人はいるはず。敵味方関係なく、これはシビレます。
完全版4巻
208P
#44 仙道君です
赤木と流川を交わしてのダブルクラッチ
最後の最後まで気を抜いてはいけないのだよ湘北。だって、陵南には魚住よりも恐ろしい仙道がいるのだから。そして最後にこのダブルクラッチは単なるトドメではないということ。
完全版5巻
44P
#47 勝利を呼ぶ男
ふぅーーーっ
試合終了のホイッスルとともに、とてもホッとしています。そこそこの練習試合とはいえ、ここまで追い詰められるとも思っていなかったのでしょう。流川と桜木を知ることが出来てまずまずの収穫。
完全版4巻
51P
#48 NOTHING TO LOSE
流川に握手
手を差し出したら流川に叩かれました。1年坊主にこれされたら普通は「何じゃこのクソガキっ」となるはずなんですが、流川のリアクションを予測してたんでしょうか。大人なのか鈍感なのかわかりません。
完全版4巻
62P
#48 NOTHING TO LOSE
チームへの鼓舞(福田限定)
仙道はフクちゃんの自分に対する対抗意識とオフェンス力を勝ってるわけで。チームメイトとしてPGとしてこのオフェンス力を活かさん手はないですね。褒めたら伸びるフクちゃんをノせております。
完全版13巻
115P
#142 フクちゃんの秘密
牧と高砂をかわしてのシュート
海南のCを任される高砂と相変わらずのディフェンス力の牧をかわしてのシュートです。そして、ベンチの『仙道ならなんとかしてくれる』という絶対的信頼。その思いに応えるプレーの数々。陳腐な言葉ですが、スゴイ!!
完全版13巻
169P
#145 スーパースター対決
宣言通りのワンハンドダンク
この試合、ラストワンプレーで宣言通り牧から仙道が奪ったダンク。でも、なんか、あれ?という描き方をしているんですよね、井上先生が。解決編は藤間のコマにて確認を。
完全版13巻
208・209P
#147 仙道のシナリオ
陵南フロントのハイタッチ
魚住、福田、仙道のフロントのハイタッチは陵南ファン胸アツでしょう。確かに田岡監督のいう通り、この3人は県内屈指です。現時点で神奈川最強かは、この試合の勝敗にてわかると思います。海南はこの2校に勝ってますが。
完全版15巻
6P
#161 敗北
流川完コピのリベンジ
後半早々、流川にやられた技を完コピしてお返ししました。これが仙道の天才たる由縁でしょうか。あきらかに火に油注いでるんですけど、楽しくて楽しくて仕方がないのでしょう。エース対決に誰も口をはさめません。
完全版15巻
87・88P
#165 我慢
我慢明けのダブルクラッチ
魚住vs赤木、福田vs三井、仙道vs流川と我慢ディフェンス中に、ようやく陵南のエース仙道がしかもダブルクラッチで得点し、スコアを動かしました。ここぞの仙道の信頼は全国区に違いないはず。まだ全国に行ってないけど。
完全版15巻
99P
#165 我慢
赤木の高い壁に阻まれる
リバウンドのイイ桜木に3度も打たす仙道じゃあございませんが、その後必死で取り返すためのワンマン速攻が逆にアダとなり、赤木に捕まってしまいました。エースとして陵南の全期待を一身に背負い断ち切りたいので、ここは取っておきたかった。
完全版15巻
195P
#170 勝利の雄叫び
安堵の表情
イケイケドンドン(死語?)の湘北。もはや仙道一人ではこの湘北の勢いを抑えきれない中、ギリギリの状態で魚住が投入されました。こんなにあからさまにホッとした表情の仙道も見たことがありません。相当、キツかったことを物語っています。
完全版15巻
227P
#172 ボス IS BACK
宮城の速攻をブロックできず
魚住投入直後の湘北の速攻。流川も桜木も走っていたのですが、宮城自らのシュートを防ぐことが出来ませんでした。「オレならいつでもブロックできると思ったかい?」何一つ返せないほどに、仙道は追い詰められているようです。
完全版15巻
234P
#172 ボス IS BACK
ドリブルで桜木をかわしてワンハンドダンク
終盤スティールで流川をかわし、ドリブルで桜木をかわしてのワンハンドダンク。観客だけでなく、ベンチやコートのプレイヤーを黙らすほどの圧倒的華麗さ。特に陵南ベンチがお祭り騒ぎになり始めましたね。
全版16巻
66~69P
#176 不安要素
仙道 ON FIRE
サブタイトルの通り、仙道がただただ火を噴いてる回です。流川に容赦ありません。流川がかすんでおります。仙道ファンの必見、仙道ファンのため回です。
全版16巻
105~123P
#178 仙道 ON FIRE
流川をかわして
陵南が最後の猛攻を仕掛け、その中心には仙道がいるのですが「じっくり1本」と言いつつ行動は流川を完全に抜いているんですよ。ところが、今度は素人・桜木がいましてね。今回の「この野郎」は、ちょびっと憎しみ込みでしょう。
全版16巻
169P
#181 素人・桜木
この試合最高のパス
流川になくて仙道にあるもの。それは “ パス ” です。視野の広さは牧が認めているので最早全国区。その洞察力で敵味方を自分自身の扱い方にも長けています。終盤の終盤でこの魚住へのパスは至高です。
全版16巻
179P
#181 素人・桜木
意地の2人抜き
エースの宿命を背負い、流川をかわし赤木をかわして決めて見せました。最後の最後まで天才・仙道は湘北の前に立ちはだかるのです。
全版16巻
229~231P
#184 勝敗
凄さを解説
凄いところ。やはり、超高校級で全国区の海南の帝王・牧に匹敵したことではないでしょうか。
海南vs陵南のジャンプボールでの魚住が啖呵を切り、田岡監督の奇策という名の仙道に対する絶対の信頼は、選手冥利に尽きると言えます。
人によればプレッシャーで潰れるでしょうが、仙道はその期待に見事に応えているんですよね。
それは、背中やプレーや鼓舞する言葉全てにおいてです。
何よりも、あの牧が認めましたもんね。ラスト40分のプレーで牧を追いつかせ、宣言通りのダンクを奪いかつファウルを取りワンスローを決めて陵南の勝利のシナリオを描きあと一歩のところまで実行。
その仙道の思惑をギリギリのところで見破り延長の選択をした牧。
その一連のプレーを観客席で見ることしかできなかった、牧のライバル翔陽・藤間の理解力の速さも流石ですよね。わかりやすい解説をありがとう。
謎めいたところ
どんな家族構成なのかということですよね。田岡監督が東京から見つけた仙道は、神奈川に家族揃って引っ越してきたのか。もしくは一人暮らしやどこかに下宿しているのか。
学生としてどんな高校生活を送っているのか。成績やどの教科が得意なのか。そもそも得意な教科があるのか本当に読めないキャラクターですよね。
まともに授業を聞いていないようでいて数学のテストとかめちゃくちゃにいい点数を獲ってるタイプの可能性…うーん。ありえる。
ナンダカンダ、女性に人気だと思います。人当たりがいいので、勘違いする生徒や先生も多いかもしれません。危険、この上無し。
仙道彰の残念なところ
まずは時間にルーズなところです。これは人として致命的です。
ましてや、新チームのキャプテンに就任するも相変わらず趣味の海釣りで練習をサボりキャプテンの威厳もへったくれもない。(ただし、試合になればやはり結果を残す凡人の敵)
何よりも残念なところは、牧の心情や相田記者と同じでインターハイで仙道がどのようなプレーするのかというのが見れなかったところでしょう。
もし決勝リーグで陵南が湘北に勝ち全国行きを決め、2回戦で山王と戦ったのならば、恐らく沢北との再戦ということなっていたんではないかという期待。
試合開始の時点で流川よりも仙道の方がディフェンスがいいですし、流川と違ってパスという選択肢もあります。沢北vs仙道の対戦も大そうおもしろいに違いありません。
それ以外に、愛知の星である諸星との戦いや大阪の土屋との戦いを見てみたいところです。
バスケIQが高いもの同士の駆け引きとか心理戦が想像するだけでおもしろそうと同時に頭パンクしそうですけれど。
自作ストーリーを考えてみた
インターハイはたくさんの競技があるので、テレビで放送されるのはせいぜい準決勝・決勝ぐらい。もちろん、優勝候補が出てきたとしてもそれは例外ではない。
秋田県立山王工業高校。
バスケットボールをかじっている学生ならば一度は聞いたことのある、バスケットボールの超絶名門校。
奇しくも、この年の山王は向かうところほぼ敵無しの無双状態。
そんな山王と2回戦で当たるのは神奈川県立湘北高校。
「引きがいいのか悪いのか。」
これは間違いなく後者である。
県下トップの高さと藤間擁する翔陽を破り、神奈川No.1で全国区のプレイヤー牧が「湘北は強いぞ」と言うように海南をあと一歩のところまで追い詰め、そして歴代最強と思われるオレたち陵南を下し全国の切符を手に入れた、宿敵湘北。
山王vs湘北、この試合を見ることは広島県で開催されるインターハイに行かなければ不可能だと思っていた。ところがその試合を見ることができる状況にある。
何の因果か、はたまた天の導きか。もしくは運命の悪戯か。手許には、素人が撮ったビデオテープがある。
「99%、山王の勝利。」
ただし、この世に絶対というものはない。特にアマチュアの学生で高校の世界には時として、大舞台で奇跡という名のジャイアントキリングが起きることもままある。
実のところ結果も知っている。彦一の姉である相田記者から電話があったのだ。相当興奮状態にありフル関西弁だったらしいが、何も言うまい。
つられた彦一も興奮して言葉が怪しかったのだが、確かに湘北勝利と伝えられた。
これから見る試合は、どうやって湘北が山王に勝ったかというプロセスを見ることになる――。
新学期を迎える、ほんの数日前。
厳しい練習の合間のつかの間の休日。サボらずに堂々と街に繰り出せる格好の日和。
「仙道。」
聞き覚えのある声の主は、帝王・牧。
あいからずダンディーな貫禄を持つ人だなとぼんやりと思っていると、
「少し、時間あるか。」
とまさかのお誘いを受けた。
近くのコーヒーショップに入る。
会う場所といえば大会のある体育館。バスケットボールのユニフォームかジャージなので、お互いが私服というのは何とも新鮮である。
「ホット、2つ。」
と言いつつ、牧さんがダンディー過ぎてウイスキーが運ばれてくるじゃないかと思ったが、確実にホットコーヒーだった。
(美味い。)
「街でもやっぱりお前は目立つな。」
「お互い様ですよ、牧さん。そうだ、インターハイ準優勝おめでとうございます。流石ですね。」
牧が目を伏せた。
オトナの余裕?1歳しか違わないのに。やはり、留年しているのだろうか。
とは言えこんなところで、腹の探り合いをしていてもしょうがない。
「湘北が山王に勝ったぞ。」
「知ってますよ。」
これはオレがゲームを見たこと知っているらしい。早くバスケをやめてくれないだろうか。
その洞察力で貴方なら何だってできると思います。少なくとも、早速冬が危ない。
「どう思った?」
とても抽象的な質問。
「桜木の目覚ましい成長は脅威ですね。」
その目はホストがマダムを口説き落とすときの目ですよ。
「お前の目に流川はどう映った?」
恐らく本命はこっち。あえてオレに言わせるのか。
「まさか沢北を食ったのは想定外ですかね。」
嘘をついても仕方ない。これが本音だ。
だが・・・
「パスをしたな。」
これが確信。
「しましたね。とは言え、流川(アイツ)のプレイスタイルが変わるとも思えませんが。」
「同感だな。」
楽しそうな笑みは、さながらマフィアの取引のようにも感じる。
奇跡でもマグレでも、勝ちは勝ちだ。湘北に同じことをしろと言われてももう勝つことはできないだろう。それはたぶん、他校にも同じことが言えるのだろうが。
「オレはお前ほど優しくないからな。敵に塩は送らん。」
はて、塩?
「流川に影響を与えるとしたら、お前だろう。」
インターハイ前に流川と1on1をしたことを知っている。どこからかのぞかれていたのか?
まさか。
「牧さんて、マジシャンか超能力者でしたっけ?」
確実に論点が外れたが、それぐらいこの人は異次元かもしれない。
「オレがマジシャンで超能力者だったら、確実に全国制覇して引退だ。」
牧さんも百面相している。
おもしろい。
「山王戦での試合中、湘北の選手それぞれが40分の間に進化した。スタメン全員がだ。その中でも、桜木と流川の進化はもはや異常だ。流石に、清田には同情する。」
牧さんの優しい親心が見え隠れする。海南で1年でスタメンを勝ち取る清田のバスケセンスは口先だけではない。
しかし神奈川にいる以上は同学年として、ずっと比べ続けられるのだろう、流川とも桜木とも。
もし負けようもんなら海南は、牧が卒業してしまったからだとかなんとか。今から相当なプレッシャーと言わず何という。
それに、オレ自身も1年はこいつ等と顔をつき合わすことになる。やっかいなことこの上ない。
「牧さんはオレに塩、くれないんですか?」
さっきの答えは無視の方向で。
「お前にとってのオレの『塩』とはなんだ。」
わかってるくせに。いけず。
「インターハイをもって勇退。」
希望的観測は百も承知だが覆って欲しい。
「ふふ。それをしたいのは山々だったんだがな。引退すると末代まで藤間に祟られそうでな。」
やっぱりそんな関係だったんですね、大人って複雑。
「今、思い出したくない人まで思い出しました。」
嘘。藤間(あんな人)忘れるわけがない。
「安心しろ仙道。今や神奈川でお前をマークしないヤツはいない。敵はどんどん増え続けてる。背後に注意しろよ。」
そんなに恨みを買った覚えはないんだが。納得いかない。
だけど、牧さんも藤間さんも3年間そのプレッシャーと戦い続けてきたのだ、神奈川(ここ)で。
「お二人には頭が上がりませんよ。」
そして、流川・桜木・清田はこの二人と同じ道を歩むことになるのだろう。と、考えるとオレはまだ楽だったのかもしれない。
その後、やっぱりバスケットボールを中心に話ははずんだ。そして、帰り際に餞別として投下されたのは沢北のアメリカ留学だった。
情報の入手経路の方が気になる。
「今度こそ流川はお前を完全に叩き潰す気満々だ。早速、冬が見ものだな。」
どうでもイイ情報ではないが、知りたいことでもなければ知れば知ったでしんどい内容だ。スポーツ選手特有のドSでドMなふり幅といったところか。
「そして、冬も海南がいただく。」
勝負師の顔。
「そうはさせませんよ。」
ファウルにならないように、この人の手足を掴んで離せないもんだろうか。
冬の切符は1枚。たった1枚しかない。
今日も今日とて陵南の体育館にはなぜか足が向かないので、いつもの海釣りに来ている。
みんなからすれば、部活をサボっていると思われているが違う。あたりがくるまでの間に、結局考えてることと言えばバスケのことばかりだ。
しかし、実践してみるまでは何事も机上の空論で、だからこそ人は練習を積む。
積んで積んで、自信をつけるしかないのだ。結局はこれの繰り返し。
あとは、イメージトレーニングも重要。ネガティブで入るよりポジティブで入るほうがいいに決まっている。
と言ってる間に、あたりもきた。
「誰かインフルエンザにかかんないかな。」
少しくらいの神頼みだってバチはあたらんだろう。
沢北も流川もオレにはシンプルにエースという共通点があり、チームの勝ち負けと自分自身の1on1がきってもきりはなせない。バスケットボールと1on1は同じであって同じではない。
極論、流川に1on1で負けても最終的にはチームが勝てれば問題はない。
しかし、宿命づけられたエースという立ち位置の人間の敗北はチームの雰囲気を壊す。だから、どのチームにおいてもエースだけは負けられないのだ。
何もそれは、バスケットボールという競技だけにとどまらない。
インターハイ前に流川に言った一言で別段大きな変化を期待したわけではない。いつの日か気付くであろうことがインターハイというタイミングだっただけ。
相手が沢北ということもあり、覚醒が早まっただけのこと。
もちろん、オレの言葉に耳を傾けないままの可能性もあったが、そんなタマではないことぐらいわかる。変化がなければ周りがオレ自身が買いかぶっていただけのこと。
試合の中で自分の楽しみを優先するには、主将(キャプテン)という肩書が邪魔じゃないかと言えばウソになる。
「アイツらがキャプテンになる想像ができないな。」
今のところ桜木もキャプテン向きじゃない。沢北は留学するのであり得ない。
「清田はアリかな。」
冬を越え、また4月になると各校にルーキーが誕生する。そして、今この時も練習を積み目覚ましい進化をしているかもしれない選手も続々といる。
キャプテン的にはしんどいが、一仙道彰個人としてどうかと問われると、
「やっぱり疼くな。」
バスケがしたい。今、猛烈にバスケットボールがしたい。
本当はというと練習ではなく試合がしたい。試合独特のあの緊張感と高揚感は一度味わうとかなり病みつきになる。
相手が強く歯ごたえのある猛者どもとなると、楽しくて楽しくて仕方がない。
「今日は店終いかな。」
釣り道具を片付ける。今日は坊主だったが、そんな日もあっていいじゃないか。
「さあ、いこーか。」
気分がいいので、このまま陵南の体育館に向かうことにする。
部活は当然、遅刻しているので恐らく田岡監督に叱られる。越野に関してはそのうち顔面にボールが飛んでくるかもしれない。福田はきっとそんなこと気にしないだろうから。
「福田と1on1でもやるかな。」
オフェンス力の高い福田との1on1は意外と楽しい。オレに対して妙な対抗意識がさらに愉快にさせる。
「ディフェンス力は課題だけど。」
こっちは田岡監督のお仕事。伸びしろがあるので気にしない。冬に間に合えばと思っている。オフェンス力はほっといても勝手に伸びるだろうし。
山王vs湘北戦において、ほんの少し流川をうらやましく思った。最強・山王を倒したことではなく、1on1で沢北を抜いたことではなく、ましてやパスという選択肢を覚えたことではなく。
高校バスケ界No.1プレイヤーの沢北に40分のうちに追い上げ、並び立ったこと。
過去に沢北と戦って自分自身が果たせなかったことを、流川が果たしてしまったこと。
牧さんの言う通り、オレの塩が効いたとも言えるかもしれない。
つまるところ流川という金の卵を沢北が覚醒させたことが気にくわないのだ。
自分との対決以外のところで自分が過去に負け上だと認めざるを得ない敵に、ライバル(流川)も覚醒させられたことがなんとも悔しい。
「やるならオレの目の前で、桜木にパスを出せよ・・・。」
だからと言って、あの流川と桜木が今後もお互いパスを出し合うかと言えば違う気もする。
あの戦いを見て、自身に生まれたのは沢北に対する『嫉妬』だ。今なら少しだけストーカーの気持ちが理解できる気がした。
とか思ったところで、冬会った時の流川はさらに一回りも二回りもやっかいになってることは間違いない。
「ノロウィルスでもいいかな。」
イケメン爆発しろ。ついでにアメリカに行った沢北も爆発しろ。
「ちわーっす。」
体育館の扉を開けるや否や、ボールが飛んできた。ゴジラのような足音が近づいてくる。
「センドーッ!!」
ジャニーズ顔で評判の越野の面影はもはやない。完全に修羅と化している。
あまりのキレッぷりに、誰も止めに入らない。田岡監督ですら完全にスルーだ。自業自得とは言えあんまりの状況である。
「流川、桜木、すまん。オレは今日ここで散ることになるかもしれん(物理的に)チームメイトの手によって…」
越野のスピードが速くなっているのは気のせいではない。これは陵南にとって嬉しい誤算。
待ち遠しいような、でもセンチメンタルにならない冬を送れるように準備にとりかかる、まだ残暑の残る1日のこと――。
アニメ化について
未だに根強い人気のスラムダンクですが、アニメ化にもなっております。簡単に当時の放送を振り返っていきましょう。
1993年10月16日~1996年3月23日
【話数】
101話
【放送局】
テレビ朝日系列
主人公・桜木花道の入学からインターハイに行く直前までがアニメになっており、その間に何度かオリジナルのストーリーも展開されていました。
仙道も人気キャラクターということもあり、オリジナルストーリーでも何度か出演・見せ場があったようです。
では、仙道を演じた声優さんの紹介を少しさせていただきたいと思います。
引用元:CRAZY BOX
【名前】
大塚 芳忠(おおつか ほうちゅう)
【性別】
男性
【生年月日】
1954年5月19日
【出身】
岡山県津山市
【声種】
バリトン
【所属】
クレイジーボックス
日本を代表する大ベテラン声優さんでいらっしゃいます。アニメだとジャンプ作品も多く出演されており、「NARUTO疾風伝」「銀魂」「鬼滅の刃」等。
吹き替えでも多くのドラマや映画に出演。更に、「真相報道バンキシャ!」等のナレーターも務めていらっしゃいます。
スラムダンクは赤木や牧の老け顔をネタにするようなこともあり、声を聴いていても若いなと思ったことはあまりなかったように思います。
当然ですが、演じていらっしゃる声優さんたちは今よりもっとお若かったですよ。
さて、大塚さんの演じる仙道はどんな風だったかと言いますとあまり遅刻をしなさそうな仙道でした。ゆるさよりも凛々しさが勝っていたように思います。
もしかすると、大塚仙道の方が陵南の理想とする未来のキャプテン像だったのかもしれません。
大塚仙道なら田岡監督もキリキリと怒ることは無いと思います。だからと言って、練習が厳しくならないわけはないでしょうけど。
何ということでしょう、スラムダンク30年を経て再びアニメ映画の製作が決定しました。
実写化について
人気作の宿命である実写化ですが、スラムダンクは一度として実写化されておりません。
もしかしたら、大人の世界の間でも何度か話があったのかもしれませんが、未だにお目にかかれておりません。もちろん、今も水面下で話し合われているかもしれませんが….。
仙道の実写版となると、一番のネックは身長かなと思うことがありますね。
やはり、190cmは日本人で見つけるのが難しいですよね。身長に関しては、ほとんどのキャラクターに言えることになりますが。
実写化もさまざまな形態が増えました。ドラマや映画だけでなく、2.5次元の舞台やミュージカルも昨今では人気ではないでしょうか。
プロジェクションマッピングの融合やメイクとビックリな演出があり、新たなファンの獲得も生まれそうです。
今後もしかすると、もしかするかもしれないですね。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
仙道は華麗で天才だけど未だに全国大会の経験がないという、うらやましくもあり、でももどかしい部分もある素敵なキャラクターだと思いました。
そんでもって、意外に仙道だけを語ることも実はあまりなかったのではないでしょうか。
今回はなるべく仙道だけにがっつりスポットを当ててみたものの、このキャラはまだまだ奥が深いですね。
掘り下げてもどんどん新たな魅力が発掘されることを改めて知ったように思います。
流川、桜木にとっては身近な目の上のたんこぶとして、二人を翻弄し続けてほしいところ。
そして、いつの日か沢北とのガッツリ向かい合った対決を拝みたい!願望がぬぐえません。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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