マンガるろうに剣心・神谷薫キャラ解説(ネタバレ注意)

るろうに剣心の神谷薫といえば彼女の気持ち一つで物語が左右されるシーンが多い事と、その反面コミカルな描写が多い所が魅力的ですよね。

るろうに剣心好きの私はマンガを読み進めていくうちに、ある意外なことに気がつきました。

これを知ったうえで再度マンガを読んでみると、今までとは違った目線で神谷薫というキャラクターを楽しむことができますよ。

神谷薫を好きな人と語り合ったら、話が弾んで今まで以上に仲良くなれることは間違いありません。

では、神谷薫がどういったキャラクターなのかをみていきましょう。

 

神谷薫について意外だったこと

初期の神谷薫は強くはありません。けれども隠れて稽古しているのか徐々に強くなって行き、十本刀の一人を倒してしまうまでに成長します。

神谷薫は「派手さはない」けれど「彼女の気持ち一つで物語が左右される場面が非常に多い」です。

彼女が、そう「願う事」で成就(じょうじゅ(願いがかなう事です))されるシーンがあまりに多い。

るろうに剣心ではないですが「涼宮ハルヒの憂鬱」というマンガがあります。凉宮ハルヒも「そう願う事で物事が成就される能力の持ち主」であり重要キャラとなっています(彼女がそう願ったから、宇宙人・未来人・超能力者が集まったのです)。

るろうに剣心と同じ週刊少年ジャンプで連載されていたサッカーマンガ「ホイッスル」でも願えばかなうは重要なワードとなっております。

神谷薫が持っている能力が、どれだけ恐ろしいモノか説明して行きましょうか。

 

成就能力の恐ろしさ その1(緋村剣心編)

るろうに剣心というマンガは神谷薫の気持ち一つで物語が左右されるシーンが多いです。例えば第一幕で「剣心に居てもらいたい」と願ったから10年も日本を歩いて来た剣心が「しばらく厄介になるでござるよ」と旅を一時休止します。

10年も日本を歩き回いた剣心は色々な事があったと思うのですが彼女の能力が無ければ、るろうに剣心は読み切りで終わっていました。(剣心が登場する読み切りは、いくつかあります)

また、剣心と鵜堂刃衛が闘うシーンでは刃衛にトドメを差そうとする剣心に「人斬り抜刀斎に戻って欲しくない」と願ったから結果的に刃衛の術を解いて剣心も人斬り抜刀斎に戻らずに済んでいます。

剣心と斉藤一が神谷道場で闘うシーンでは薫が「誰かあの二人を止めてェーッ!」と叫んでいます。この願いも成就して大久保利通登場で剣心は人斬り抜刀斎に戻らずに済みました。

京都編では「剣心と会いたい」と願ったから会う事で出来ましたし「剣心を信じる」と願ったから剣心は志々雄真実に打ち勝てました。

極めつけは「私は剣心と一緒にずっと居たい」と願ったから神谷薫は剣心と結ばれて子供も授かった事でしょうか。

 

成就能力の恐ろしさ その2(明神弥彦編)

番外編「弥彦の闘い」では弥彦が赤べこを一人で守ろうとします。弥彦はその結果、真剣相手の強敵に勝利しますが、おそらくこれも薫が「弥彦はきっと勝つ」と願ったから(弥彦の戦闘力に補正がかかったのでしょう)。

燕ちゃんにも「弥彦が勝ったら燕ちゃんは、もっと強い心を持つ!」と願ったから燕ちゃんは古いしきたりに囚(とら)われずに元気に赤べこで働いているのでしょう。

京都編では十本刀の蝙也を相手にしますが、志々雄真実が全国から集めた精鋭相手に見事勝利しています。勝利した原因の一つに薫が「弥彦を信じる」と願ったからも含まれているはずです。

人誅編では弥彦が乙和瓢湖(おとわひょうこ)と闘いますが、薫が「弥彦は私が見るわ」と戦闘中に発言しています。これは乙和瓢湖にとって「強大な死亡フラグ」となっており、弥彦は神谷活心流奥義「刃止め」と「刃渡り」を見事決めて撃破します。

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成就能力の恐ろしさ その3(志々雄真実編)

一度は紅蓮腕(ぐれんかいな)で剣心を撃破し、斉藤一の奇襲での牙突と牙突零式をかわして反撃し、左之助の二重の極みをまともに受けても無傷で反撃し、志々雄真実の完全勝利かと思いきや剣心が傷だらけで復活。

最終決戦は剣心と志々雄真実。両者とも瀕死で「どちらが先に一撃を入れるか」になりましたが決着前に半ページ豪華に使って薫の「みんなで一緒に東京へ帰ろうね・・・」のコマがありました。

このコマを見た時「ああ、志々雄様は終わったな」と思いました。勝負の結果は志々雄真実が自滅して剣心の勝利。

実は、るろうに剣心の最強キャラは飛天御剣流の使い手「緋村剣心」ではなく、牙突の使い手「斉藤一」でもなく、二重の極みの使い手「相楽左之助」でもなく、成就能力の使い手「神谷薫」だったりするかもしれません(ただし薫本人は、当たり前ですがこの能力に全く気づいていません)。

 

実は強い神谷活心流 その1

薫本人は「神谷活心流(かみやかっしんりゅう)」は小さな流儀だと言っていますし、物語序盤では師範代の神谷薫しか居ない潰れかかった道場です。

アニメ版るろうに剣心では、およそ10歳くらいの薫が道場での「もめ事」を覗(のぞ)き見るシーンがあります。

この頃の薫はビクビク、オドオドしていて将来の神谷活心流師範代の影すら見つけられませんでした。しかし薫は神谷活心流で強くなります。それこそ十本刀の一人を倒してしまうくらいに。

想像してみて下さい。三条燕ちゃんが神谷活心流で剣術を習い十本刀の一人を撃破するシーンを。少し想像しづらいですよね。

燕ちゃんのような性格の女の子でも神谷活心流を習うと、連載時に師範代になった薫の域まで強くなれるのです。

 

実は強い神谷活心流 その2

るろうに剣心本編最終話で師範代にまで登った弥彦ですが、15歳の弥彦の剣に魂がこめられているか剣心が試すシーンがあります。

飛天御剣流と神谷活心流の一本勝負。勝負結果は弥彦がヒザをついて負けてしまいますが、剣心の肩に一撃を入れてしまうほどに成長しているのです。

この後の北海道編では剣心の本気の九頭龍閃(くずりゅうせん)を伍の撃まで止めていますし、特別編「弥彦の逆刃刀」では「神谷活心流 奥義の極 刃断」という凄い技まで登場しています。

使い手にもよるとは思うのですが、ここまで凄い技の数々がある神谷活心流が弱いとは到底思えません。神谷活心流を立ち上げた薫の父、神谷越路郎を探す北海道編の続きが楽しみで仕方がないシゲルです。

 

神谷薫のプロフィール

名前:神谷薫(北海道編では緋村薫)

性別:女性

生年月日:1861年6月

血液型:O型

性格:明るく活発

身長:155cm

体重:41kg

好きな食べ物:牛鍋

嫌いな食べ物:不明

趣味:剣術の稽古

口癖:シメてやる!

弱点:料理が下手

その他特徴:心配性な面もある

声優:藤谷美紀

実在の人物モデル:千葉佐那(ちばさな)

 

るろうに剣心の大まかなストーリー

【東京編】

明治11年東京。 廃刀令(はいとうれい)が発布され西洋文化が街に入り込んだ割と、のどかな東京が舞台です。

かつて幕末で最強の維新志士(いしんしし)と呼ばれた「人斬り抜刀斎」(ひときりばっとうさい)の名を語る悪い輩を、流浪人(るろうに)の緋村剣心がこらしめます。

この流浪人こそが、かつて最強と呼ばれた人斬り抜刀斎であり、助けられた神谷薫は「私は人の過去になんかこだわらない」と剣心を引き留めるのです。

浪漫譚(ろまんたん)の始まりは東京下町、流浪人の緋村剣心来訪から。

剣心が神谷道場に居座ってから人斬り抜刀斎と戦いたい者が次々と現れ仲間になってゆきます。

 

【京都編】

事実上、日本権力の頂点に居る大久保利通(おおくぼとしみち)が暗殺された。

この暗殺を計画した人物が、志々雄真実(ししおまこと)という明治政府を転覆させようとしている者で、かつて志々雄は影での人斬りを任された、いうならば人斬り抜刀斎の後継者である。

彼は剣の腕も頭の回転も速く支配欲を抱えた危険人物であった為、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の混乱に乗じて明治政府は志々雄真実を暗殺した。

しかし志々雄真実は生きていた。 彼は復讐戦争を計画して京都を拠点に十本刀(じゅっぽんがたな)と呼ばれる腕利きを同士にし暗躍(あんやく)を始めるのです。

志々雄真実を放置すれば、これから確実に日本の迷走が始まる。 剣心は薫に別れを告げて京都へと向かいます。

京都に行く途中で剣心は十本刀の一人と一戦交えますが、お互いの刀が折れてしまった為、勝負はお預けとなるのです。

不殺(ころさず)を守る為には今まで所持していた逆刃刀無しには戦えない事、そして己の力量不足を補う為に逆刃刀を作った刀鍛冶(かたなかじ)と飛天御剣流の師匠に会いに行きます

剣心の剣術は決して弱くはない。けれども心が弱かったのです。 奥義会得(おうぎえとく)には大変な努力が必要になりました。

逆刃刀真打(さかばとうしんうち)と飛天御剣流奥義を会得した剣心は途中で出会った仲間と共に志々雄真実の拠点で勝負をする事になります。

剣心の留守中に十本刀の多くが京都を襲い始めました。 京都に向かった神谷薫、明神弥彦、道中で仲間になった仲間達と共に京都を守ろうとするのです。

圧倒的な戦力の差はありましたが、マンガ特有の奇跡が起きて京都と日本は救われます。

 

【人誅編】(じんちゅうへん)

かつて剣心は人斬り抜刀斎として多くの人を「天誅(てんちゅう)」の名の下に叩き伏せ多くの者を殺しました。その復讐が人誅編。

「天が裁かなくとも己が裁きを下す」というのが人誅です。 剣心を恨む者達が集まり復讐を計画します。

復讐の首謀者は、かつての剣心の妻(巴)の弟、縁(えにし)。 妻は巴(ともえ)という名でした。

巴もかつて婚約者を剣心に殺害され復讐を計画した一人で剣心の弱点を探す為に近づきましたが、その優しさに彼を愛してしまい復讐は失敗に終わります。

巴同様に剣心も巴を愛しました。 巴は自分自身が剣心の弱点になった事に気が付き、剣心を守る為に自分を犠牲にして彼を守るのです。

その一部を見ていた縁は剣心が姉を殺害した。と勘違いをし復讐はここから始まります。

剣心と親しくしている者、言葉をかわした者、剣心が守った日本全てが縁の標的です。 勘違いから始まった復讐が始まります。

縁は剣心と親しくしていた神谷薫を殺害。 生きる気力を失った剣心は刀を鎖で封印し心が壊れてしまいます。

しかし神谷薫の死に疑問を持った者が現れました。 かつて剣心と戦った仲間です。

仲間達で薫の墓を暴き、薫の死体が人形である事を確認。 薫がまだどこかで生きている事を確信します。 姉の死を間近で見た縁に若い女性を殺す事は出来なかったのです。

仲間を守る為、薫を救う為に剣心の心が復活します。

心が強くなった剣心は、ほぼ無敵の状態でした。 あっさりと縁をこらしめトドメは巴の日記帳。 巴が剣心をどれだけ愛したか、自分がどれだけ勘違いをしていたか知れば精神的に、やられてしまうでしょう。

時は流れ明治15年。 剣心と薫は結婚し子供を授かります。 剣心は弥彦を呼び出し剣に魂が宿っているか見極めた後、逆刃刀を弥彦に託して一線を退(しりぞ)くのでした。

 

神谷薫に対しての熱い想い

主人公達を活躍させる為に頑張っている点が素晴らしいです。

東京編では皆が安心して暮らせるように気を配り、京都編では十本刀の一人を撃破した上、剣心の奥義伝授・志々雄真実との最終決戦の際に剣心の脳裏に登場し、人誅編では薫が裏主人公と言っても過言ではないくらい活躍しています。

るろうに剣心の作者、和月伸宏先生の奥さんも名前が「薫」ですので何となく作品内で薫は大切に扱われているのです(奥さんの黒碕薫さんは北海道編ではストーリー協力として担当)

弥彦の内面モデルが中学時代の和月伸宏先生なので、薫と弥彦の竹刀を持って「シメてやる!」「やってみろ!」の掛け合いは和月先生と奥さんの間で「実在しているかも」しれませんね。

本編での物語は神谷道場から始まり、神谷道場で終わっています。京都編で剣心が神谷道場の前で「ただいまでござる」と言ったように剣心にとって神谷道場も神谷薫も特別な存在だと思います。

 

一番好きなところ

主人公、剣心の一番大事な人である点です。作品内で恵(めぐみ)・妙(たえ)・冴(さえ)・操(みさお)・燕(つばめ)読み切りでは千鶴(ちづる)などの様々な女性キャラクターが登場しますが色々な女性を惹きつけた結果、弥彦も「人間磁石め」と呆れています。

様々な女性が登場しているのですが薫は特別な存在のようで、それは剣心の行動にも現れているのです。

京都編での志々雄真実戦では脳裏に薫が「みんなで一緒に東京に帰ろうね・・・」と現れた時に瀕死の重傷なのに立ち上がりましたし、人誅編では雪代縁の必殺技で斬られたのにも関わらず薫を守る為に信じられない力を発揮し、雪代縁も「こんなバカな!」と驚いています。

日本を10年歩き回り人助けを続けて辿り着いた1箇所が神谷道場だったわけですが、薫の何かが剣心を惹きつけたのでしょう。

薫と剣心はめでたく結婚し「剣路」という男児も生まれて、るろうに剣心から目が離せない状況になっているのです。

 

外見のポイント

普段は稽古着を着ているが、外出時は着物にリボンをしている。一番のお気に入りは藍色(あいいろ)のリボンだったのだが剣心が刃衛戦で血みどろにしてしまいダメにしてしまった。

剣術小町と呼ばれており薫に魅了された前川道場の練習生も、薫が出稽古に来る日は3倍の人数が来るようです。

るろうに剣心のヒロインであるので、それなりの美貌を持っている。

着ている着物の数が多い。「藍色の着物・白地に桜が入った着物・白地に黒の重ね襟の着物・深い緋色に桜散らしの着物・柿色の着物・牡丹色の着物・紅梅色の着物」とマンガ内に登場する着物だけでこれだけあるので実際に所持している着物はもっと多いはず。

また、帯も数々の帯を持っており、結び方も色々な結び方をしている。着物と帯と結び方とリボンのバリエーションを変えるだけで様々な姿に変貌出来るので、明治という時代もお洒落な女性が多かったかもしれないですね。

るろうに剣心本編では白に桜が入った着物が出てくるシーンが多い。

 

歩んできた人生

1861年、江戸に生まれる

幼少期や母についての描写が本編では無く、おそらく父の越路郎が出てくる北海道編で明らかになってくると思われる。

明治に入り神谷活心流が開かれ、父の越路郎は明治10年に西南戦争にかり出されて戦死したと思われたが生きているもよう(北海道編より)

本編の明治11年時点で神谷活心流師範代として活躍。

 

目的としていること

剣心が現れるまでは「神谷活心流を守る」事に力を入れていたが

本編で剣心と結婚して剣路という男児が生まれてからは「剣路を立派に育てる事」に力を入れている(北海道編でそのような描写あり)

 

性格について

男勝りな明るくサバサバした性格。反面、落ち込みやすい面もあり、京都編で剣心と別れた際には何日か寝込んだ。

喜怒哀楽が豊かで、色々な所にその描写がある。薫の感情は顔に出るらしく複雑な心境も何故か全部顔に出る。

でも一番凄いのは「それを描写」できる作者の和月先生ではなかろうか。

 

普段の行動

本編では普段、神谷活心流道場で弥彦を鍛えている。

買物に出かける時はお洒落な着物を着て買い出しに行くが、何故か大量に買い込む傾向がある。

料理も好きなようだが、一向に上達しないのは何故なのだろう。

 

名言・名シーン

<名言>

  • たかが流浪人風情に この悔しさは わからないわよ(第1幕より)
  • 誰にだって 語りたくない過去の一つ二つあって おかしくないわ(第一幕より)
  • 私は人の過去になんか こだわらないわよ!(第一幕より)
  • 剣心を人斬り抜刀斎としていか知らないくせに 勝手な喧嘩仕掛けて勝手な事ばかり言わないでよ!(第8幕より)
  • また独りぼっちになるくらいなら 危険な目に遭う方がずっといいわ!(第11幕より)
  • 大丈夫でござるよ 剣心(第14幕より)
  • ご主人様と飼い剣心(第15幕より)
  • いいわよ 独りぼっちの辛さは私も知ってるし 剣心がいなかったら私もあなたと同じだものね(第19幕より)
  • とっとと失せろ この女狐ーっ!(第30幕より)
  • まず剣術をやりたいって気持ちだけで稽古を受けてみて(第38幕より)
  • まさか変なアソビじゃ・・・ないわよね(第51幕より)
  • このままじゃ剣心がいなくなってしまう・・・(第53幕より)
  • 私達は絶対に 剣心を京都へ行かせません(第55幕より)
  • 面と向かって さよなら言われた私の気持ちなんか・・・絶対にわからないわよ!(第60幕より)
  • 絶対に弱音なんか吐かない 私も もっともっと強くならなきゃ!(第65幕より)
  • もう頭来た! こーなったら どんな手を使ってでも剣心に絶対に会ってやるわ!(第83幕より)
  • 剣心 いつものようにふり向いて笑ってくれない(第85幕より)
  • 今のあなたの剣は 振るえば振るう程 周りの人々はおろか自分自身をも不幸にする兇剣よ(第91幕より)
  • よかったね 操ちゃん(第104幕より)
  • みんなで一緒に 東京に帰ろうね(第105幕より)
  • ただこうして リボンをとって道着に身をつつんでいる時は男とか女とかじゃなく 一介の剣士として覚悟を決めているだけよ(第123幕より)
  • 神谷活心流が目指すは人を活かす活人剣・・・その極意は相手を殺すことでなく 相手を制すること(第124幕より)
  • 剣心とみんなで一緒に・・・東京に帰るって約束だけは・・・私も譲れないの(第124幕より)
  • ありがとう恵さん そして・・・ごめんなさい・・・(第150幕より)
  • やっと剣心が 私達の所へ帰ってきたカンジがする・・・(第150幕より)
  • 剣心 お帰りなさい(第151幕より)
  • 何が起こるかわからない人生の中で この先私がどうなろうと剣心がどうなろうと あんな別れ方だけはもう絶対にない(第162幕より)
  • 私は剣心と一緒にずっと居たい(第183幕より)
  • 剣心頑張れー!(第203幕より)
  • けど今は違う 答えを見いだした・・・もう迷いもない・・・ だから要の左足の一歩を強く強く踏み出せた(第249幕より)
  • 人生を代わることは出来ないけれど せめて側で支えていたい・・・ずっと側で支えていたい(第250幕より)
  • とりあえず お疲れ様。(第255幕より)

 

<名シーン>

流浪人のあなたに居て欲しい

剣心が比留間兄弟を逆刃刀で成敗した後、流儀を盛りたてる為に「少しくらい力を貸してくれたっていいじゃない!」と剣心を引き留めようとします。

女性は「外見が男らしい男」か「外見が女性みたいな男」を好む傾向があるらしく、内面は男だが外見が女性みたいな剣心は薫にドストライクだったようで必死に剣心を食い止めようとした結果、剣心が神谷道場にお世話になる事になるのです。

強くて女性みたいな外見の男子が薫の理想の男性のようです。そう考えると本編では出会っていませんが、出会っていたら薫をめぐっての剣心のライバルは瀬田宗次郎あたりになるでしょうか。(第1幕より)

 

心の一方を破る

鵜堂刃衛につかまり人質になった薫ですが、剣心と刃衛の戦闘中に「心の一方」を強めにかけられた結果、声も呼吸も困難になりました。

剣心が刃衛にトドメをさそうとするシーンで薫の脳裏に剣心の「薫殿の言う甘っちょろい戯れ言の方が好きでござるよ」が登場し、薫は心の一方を自力で解きました。

この結果、剣心は人斬り抜刀斎に戻らずに済んでいます。本編序盤の名シーンの一つかと思います。(第14幕より)

 

料理の腕前

剣心達が武田観柳の屋敷に突入している間、薫は帰ってくる剣心達の為に料理を作っていたようです。

剣心達が高荷恵を救出し帰宅した際に「おっかえりーっ!」と手を広げていますが、10本指全部に包帯を巻いています。

これはもう料理が下手とかそういうレベルではなく「神様から授かった何か」が働いているとしか思えません。しかもこれだけ頑張ったのに料理を食べた高荷恵からは「まっず・・・おえ・・・」と言われるほどの料理。

左之助が一種の珍味みたいなもん。と言っているように、どうやったらあんな風になるのかが分かりません(第30幕より)

 

意気消沈と回復

実質、日本の頂点に君臨する大久保利通が暗殺された。犯人は志々雄真実と配下の者。

このまま志々雄真実を放っておくわけには行かない。と剣心が告げると薫は「どんなに抜刀斎に近くなっても剣心は剣心のままだから大丈夫!」と必死に引き留めます。

剣心は薫を抱きしめると「さよなら」を告げ京都に旅立つのです。

私は数年前深夜に街を歩いていると歩道橋の上で大泣きしている女性に出くわした事があります。それはもう、この世の終わりのような泣き方で男性の名前を連呼していました。察するに彼氏と別れたであろう女性でした。

女性は男性と違い、失恋した初期は、とても大きく落ち込みますが徐々に回復していきます。男性はその逆。薫は女性なので「さよなら」を言われた日から布団に入って落ち込み、何も口にしない日が続きました。

しかし上記のように「徐々に回復」していき剣心と会いに京都に旅立つまでに回復していきます。弱そうに見えるけれども女性って強いのです。(第57幕より)

 

薫vs恵

どんなに仲が良い女性同士でも、ある日から突然無視しだす事があるのです。

些細な事ならば、すぐに仲直りするものですが「男が絡んでいた場合」は壮絶な闘いになったりします。昨日まであんなに仲良くやっていたのに・・・。と、びっくりするくらい変わったりします。

剣心が京都に旅立った事で高荷恵が寝たきりになった薫の所に訪問します。恵も薫と同じく剣心に好意を寄せているので女の闘いが始まります。ある意味、剣心と志々雄真実の闘いよりも迫力があって恐ろしいです。

剣心や左之助のように男ならば「剣や拳で語る」。薫や恵のように女ならば「言葉や態度で語る」。第60幕「恵の気持ち・薫の気持ち」は女同士の壮絶な闘い。

週間少年ジャンプではなく週間少女ジャンプという雑誌があったとしたら、薫と恵の闘いは大きくクローズアップされた事でしょうが「友情・努力・勝利」が土台にある「週刊少年ジャンプ」に掲載されていたるろうに剣心なので、女同士の醜い争いは描かれていません。

私、シゲルは男性なので女性の細かい心理はよく分かりませんが、少し醜い描写もある「女同士の醜い争い」も見てみたいなぁ・・・。と怖い物見たさで思ったりしたのですが「女性は男性よりも強い」と思っている私なので、やっぱり結構です申し訳御座いませんでした。(第60幕より)

 

見事な夜

志々雄真実との決戦前に葵屋の屋根で剣心が日本の未来を考えているシーンがあります。そこに薫登場。

「剣心の命に関わる事なんだから」と薫が言うと、びっくりした表情の剣心。

剣心の心次第の詳細を薫に告げると、薫は恵から預かってきた傷に効く薬を手渡しますが、ここで我慢できなくなった弥彦登場。

「恵にゃ悪いけど ここは一丁 接吻の一つでもぶちかましてだなぁ」と良い雰囲気がメチャメチャな方向に向かいます。左之助や御庭番衆の者達も登場し、剣心への告白は保留となるのでした。(第105幕より)

 

闘う少女

薫と十本刀の一人、本条鎌足の決戦。操と薫の合体技で鎌足の武器を破壊したのですが、薫の木刀も折れてしまいました。

引き分けになると思ったのですが、お互いに「奥の手」を持っており、それがぶつかり合います。鎌足は「弁天独楽(べんてんまわし)」という技を使い、回転する大鎌を薫めがけて飛ばします。薫はそれをかわして鎌足のヒザに「神谷活心流 柄の下段「膝挫(ひざひしぎ)」」という技を入れて勝負あり。

連載開始当初は、あまり強くない薫でしたが隠れて練習していたのか十本刀の一人を撃破するまでに成長しています。神谷活心流は、とても強い流派なのではないでしょうか(第124幕より)

 

薫vs恵 その2

京都に来てまでも薫と恵の「女の闘い」は繰り広げられます。恵は医者なので剣心の身体の事はよく知っています。このやりとりは北海道編でも登場し左之助が「あいつだよ 剣心の身体を一番良く知っているヤツ」と発言した左之助に対して薫が睨みを効かせます(北海道編 第十幕より)

剣心の身体をよく知っている恵は「剣さんは運動神経が優れているだけでそれ以外は普通の人と変わりない」と薫に伝えると、恵は自分の気持ちに決着を付ける決心をするのです。

「剣さんを闘いの死地から連れ戻せる一番の人は 誰をおいて他にない東京で只一人剣さんに「さよなら」を言ってもらえた あなたなんだからね」と薫に剣心を譲る決心をしています。

週刊少年ジャンプ以外でるろうに剣心が掲載されていれば恵は剣心の心を奪おうとするはずですが、割と綺麗に「女の闘い」は終了してしまっているのです。

けれども恐ろしいには変わりありません。女の闘いは怖い(第149~150幕より)

 

お帰りなさい

志々雄真実達との死闘を終え、東京に戻ってきた剣心一行。神谷道場の前で薫が剣心に「お帰りなさい」と手を差し伸べます。

笑顔でそれを見守る左之助・弥彦・恵。次のページで豪華に見開きで「ただいまでござる」。と剣心が言っていますが流浪人が「ただいま」と言うのも妙な感じです。

京都編はここで一区切り。(第151幕より)

 

告白

探してみたら意外と薫の名シーンが少なかった人誅編。

でも人誅編で薫の名シーンといえば、薫が剣心に告白する所ではないでしょうか。

剣心が「いずれはそれぞれの未知を歩み それぞれの人生を生きていく」と言うシーンがあります。別れではなく旅立ち、終わりではなく始まり。

物語終盤では高荷恵は会津に帰り、左之助は世界を見に船で出航し、弥彦には逆刃刀を託して北海道編では燕ちゃんと一緒に暮らしています。それぞれ進む道があって、剣心の仲間達は一時的に剣心と同じ時間を共有しただけ。いずれ別れの時はやってきます。

けれども薫は言うのです。「私は剣心と一緒にずっと居たい」

京都編の最後は剣心の「ただいまでござる」で終了していますが、剣心が流浪人になってから「ただいま」と言ったのはアレが初めてだったとの事。

マンガという性質上「一緒にずっと」は無理かもしれませんが、一区切り付くまで同じ時間を過ごすのでしょうね。

燕ちゃんが第162幕で「薫さんと緋村さん この二人 幸せになれるといいな・・・」と言うシーンがありますが本編で二人は結ばれて幸せになったのでした(第183幕より)

 

凄さを解説

物語序盤では雑魚キャラの比留間兄弟に苦戦しますが、物語中盤では十本刀の一人を撃破しています。

実戦を経験すると意外に強い神谷活心流。では、薫が使う技の数々を見ていきましょう。

  • 神谷活心流 柄の下段「膝挫」
    十本刀の一人、本条鎌足戦で見せた技。
    武器が折れても柄の部分が残っていれば十分闘える、相手を制する活人剣ならではの技。
  • 神谷活心流 奥義の防り「刃止め」
    手の甲で白刃止めをして相手の剣を受け、次の技に持って行く奥義の防り。
  • 神谷活心流 奥義の攻め「刃渡り」
    「刃止め」で剣を受けた後に手の甲を刃に滑らせて柄尻で穿つ奥義の攻め。

本編で薫が使った必殺技は三つだけでしたが、弥彦が神谷活心流の色々な技を駆使している辺り、師範代の弥彦が使えるのだから師範の薫も同様の技が使えるはずです。

関連記事:るろうに剣心・明神弥彦キャラ解説(ネタバレ注意)

 

謎めいたところ

薫の母親や幼少期の描写が全く無い所が不思議です。一応るろうに剣心のヒロインなのに。

でも、この辺りは薫の父を探しに行く北海道編で徐々に明らかになっていくのではないかな?と思いますよ。

 

神谷薫の残念なところ

薫の良い所が多くありすぎて、残念な所が大きく1箇所しか目立ちませんが、その目立つ1箇所が「料理の腕前」です。

いったいどのようにしたら「珍味」みたいな料理が出来上がるのか。

魚を焼いたり味噌汁を作るだけなのに、どうして不味くなってしまうのか。その辺りが謎であり魅力な所でもあります。これはもう個性だ。

けれども、るろうに剣心内では「残念な部分」として扱われていますね。

 

自作ストーリーを考えてみた

今回は「神谷薫」の自作ストーリーです。

本編途中まで門下生は弥彦一人ですが、最終話で多くの門下生の名札が壁にかけられています。どうやって練習生を集めたのか?を想像してみました。

 

「正義のヒロイン」

第一章「寂しい神谷活心流道場」
第二章「小さな親切」
第三章「一瀬伝八誕生」
第四章「赤べこに現れた強盗」
第五章「女の子は誰でも一瀬伝八になれる」
第六章「一瀬伝八は俺の嫁」

 

第一章「寂しい神谷活心流道場」

明治12年初夏。
ここは志々雄真実や雪代巴の闘いから数ヶ月経った東京である。左之助が海外に旅立ち、高荷恵も会津に帰ってしまった。

現時点で神谷活心流道場の門下生は明神弥彦一人。剣心は家事をしている。

神谷薫が一人、道場で「うーん、うーん・・・」と唸る。弥彦も強くなってきてはいるが、神谷活心流を世の中に広める為に、もっともっと門下生が欲しい。どうやったら門下生を集める事ができるだろう?とあれこれ考えていた。すると薫がピン!と閃いた。

そうだ!正義の味方になって街の人々を助けよう!剣術を習えば身体も心も鍛えられるし、色々な凄い事ができるって宣伝して回ればいいじゃない!

第二章「小さな親切」

知人に悟られないように薫は部屋から包帯を持って来て鏡の前に座ると包帯を顔中にグルグルと巻いてみた。顔だけなら女版の志々雄真実である。

道場着を着て木刀片手に外に出てみると特に変な目で見られるという事は無い。この時代は戊辰戦争や西南戦争で傷ついた者が多いので包帯姿は珍しくはないのだ。

顔中包帯だらけにした薫が向かう先は「人混み」。誰か町中で困っている人が居ないか探していると、杖をついて重たい荷物を運ぶ老婆を目にした。

すぐにそこまで駆けつけ「ご婦人。お荷物をお持ちします。」と薫がにっこりと笑う。
「おや、ありがとう。顔を怪我しているのに申し訳ないねえ・・・」と老婆もにっこり。

薫は荷物を運びながら「自分も剣術が強くなってきたので門下生を集っている事」を老婆に伝える。すると老婆も

「門下生を集っている優しい女の子が居る事を周囲に伝えますよ」と言い残し目的地到着後、ありがとうございますありがとうございます。とペコペコと老婆は頭を下げて二人は別れ、その日の人助けは終わった。

第三章「一瀬伝八誕生」

次の日も、その次の日も薫は顔を包帯で巻いて隠し、街中で困っている人を探した。
すると遠くから泣き声が聞こえる。女児の泣き声だ。薫が駆けつけると、男児が5人ほど木の枝で女児を叩いており、いじめの現場を発見してしまう。

「やめなさい!」と薫が一喝。「誰だよ!包帯のねーちゃん!」と男児達が薫を睨み付けると

「わ・・・私は。・・・。うーんと・・・。一瀬伝八!そう!一瀬伝八よ!とにかくいじめはやめなさい!」と叱りつけると叱られた男児達は頭に来たようで薫に襲いかかってきた。

一瞬躊躇する薫。手に木刀を持っているが子供相手に木刀は使えない。ならば・・・。鋭い木刀の振りで男児達が持っていた木の棒を薫が木刀でへし折った。いわゆる武器破壊技である。

男児達は「覚えてろよー!」の捨て台詞を残しその場から逃走。泣いている女児の頭をなでながら「もう大丈夫だからね」と薫。

顔中包帯姿の薫にびっくりしたが女児は「おねえちゃん誰?」と聞いてきたので「私は神谷活心流 一瀬伝八」と伝える。

女児が泣き止まないので薫は、いじめられた原因を聞いてみた。

「あのね、おねえちゃん。うち貧乏で、私が貧乏神だからお金が全然家に入ってこないんじゃないか。ってバカにされるの。それに私は身体が弱いから・・・。私がいじめられるのはいいけど、貧乏神を生んだ!ってお母さんまでバカにされるのは悔しいよ・・・。」

「そっか。そんな事があったんだ。でもね、あなたが生まれた時に一番喜んだのはお母さんだったと思うの。たとえ生まれた子供が貧乏神だったとしてもだよ?。お母さんはあなたに厳しいのかしら?」

「ううん。すごく優しくしてくれる・・・。」

「じゃあ自信を持ちなさい!たとえあなたが貧乏神だったとしても貧乏は悪い事じゃないわ!お金持ちは素晴らしい人ばかりじゃないから!貧乏だからこそ色々考え、生きる喜びを身体で感じる事が出来るの!仮に本当に貧乏神が居たとしても、その神様はきっと心が優しいわ!」

「でもおねえちゃん・・・。優しいだけじゃ生きていけないと思う・・・。」

「その通りね。でもね、優しい事や身体が弱い事がダメだと思うのであれば、それを自分の強みにしてしまえばいいの。いい?よく聴いて。身体が強くて威張りちらしている人と、身体が弱いけど優しい人とだったら、どっちとお友達になりたい?」

「身体が弱くて優しい人とお友達になりたい・・・。」

「ほら、もう答えが出ちゃったじゃない!痛みを感じる事が出来るし人に優しく出来ると思うし母親想いだし、あなたはきっと接客業とか向いていると思うわ!」

「そ・・・そうなの?あたし接客業に向いているのかな?」

「うん。あなたならきっと、あの有名店赤べこの看板娘にだってなれると思う!」

「いくらなんでも、それは無理じゃないかと・・・。で、でも自分の弱い所を強さにしてしまうって凄い考え方ですね!」

「そうね。弱さは強さにもなるの!弱いという気持ちが強いほど、その反動で強くなるわ! ・・・。そういえば赤べこは看板娘候補が一人居たな・・・。じゃあ、あなたはみんなに優しくしてあげて赤べこ看板娘の一人になっちゃえばいいのよ」

「看板娘って一人じゃないんですよね!そうですね・・・。看板娘の一人目指して頑張ります!これからみんなに優しくします!」

「うんうん!その意気よ!身体も強くしたかったら神谷活心流という剣術道場があるからいらっしゃい。子供は大人と比べて指導料を大幅割引してるからね。待ってるね」

と女児の頭を撫でて、その場を後にした。

男子同様に女子も格好いい女性の背中に憧れるようで、女児はこの数ヶ月後に神谷活心流道場を訪れる事になる。

第四章「赤べこに現れた強盗」

翌日から、街に奇妙な噂が流れ始めた。顔を包帯で隠した、正義のヒロインが現れるというのだ。

ある時は困っている老婆を助け、ある時は女児を助け、またある時は男子顔負けの剣術の使い手と化すというのだから、この手の噂は広まるのが早い。

包帯の下はどんな美人なのだろう?とか、どこに住んでいるのだろう?とか、結婚とかしているのだろうか?とか色々な推測が流れて街中の話題をさらった。

薫にとっては少し予想外の事になってきたが、今になって正義のヒロイン一瀬伝八を辞めるわけには行かない。この日も薫は顔に包帯を巻いて街に出た。

この日の標的は強盗になった。評判の牛鍋屋、赤べこに強盗が入り、店主と従業員を人質にして立てこもっているというのだ。顔に巻いた包帯が意外な所で役に立つ時がやってきたのだ。赤べこの妙や燕に目撃されても、まさか私が神谷薫とは思うまい。

薫はすぐさま赤べこに駆けつけ扉を開けて中に入ると、中には屈強そうな男達が3名、刀を持って店主の妙と従業員の燕を脅していた。

「そこまでよ!」と薫登場。「何だ!お前は?」と強盗達。

「私の名は一瀬伝八!店内じゃ暴れられないから表に出なさい!」
「包帯のねーちゃん。俺達と闘おうってのか!」

外に出ると多数の見物人が薫と強盗を囲むようにして、その闘いを見守った。3対1で、相手は真剣を持っているので木刀の薫は分が悪いが一応は剣術道場の師範代である。

男が薫を斬りかかりに行くと強烈な木刀での胴を決めて、一人気絶。次の男が薫に突きを入れに行くとヒラリと剣をかわし木刀での面を決めて、一人気絶。

残りは一番強そうな男との対決となった。

「なるほど、強いな。最近話題の正義のヒロイン一瀬伝八ってお前の事だろ?」
「そうよ!」

「ならば相手にとって不足なし!俺の必殺の面で真っ二つにしてやるわ!」と屈強な強盗が刀を振り下ろすと、薫は神谷活心流奥義「刃止め」でこれを受け止め、奥義「刃渡り」で木刀の端を強盗のアゴに入れた。強盗は脳しんとうを起こし、崩れるようにその場に倒れる。

強盗3人を成敗した所で周囲から歓声が上がった。
「いいぞ!一瀬伝八!」
「やるじゃねえか!一瀬伝八!」

第五章「女の子は誰でも一瀬伝八になれる」

その場を見ていた以前助けた女児が走って薫に詰め寄る。

「お姉ちゃん!お姉ちゃんって凄く強かったんだ!どうやったらお姉ちゃんのように強くなれるの!?」

薫は女児の目線の高さまで屈み真っ直ぐな眼差しで答えた
「女の子はね、頑張れば誰だって一瀬伝八になれるの!」

周囲から鳴り止まぬ拍手と歓声。歓声に照れながら薫はその場を走って去る。
「我は神谷活心流 一瀬伝八!剣術に興味があるならうちの門を叩きなさい!」と捨て台詞を吐きその場から走り去った。

少しして斉藤一率いる剣客警官隊が到着。

斉藤一が「強盗はどこだ?」と町民に聞くと、町民男性は興奮しながら

「一瀬伝八っていう正体不明の女性が屈強な強盗3人を成敗しちまったんです!すごかったなぁ・・・。声も可愛かったなぁ・・・。」

その日は正体不明「神谷活心流 一瀬伝八」の話題で町中大賑わいだった。

翌日、神谷活心流道場の門前に20名ほどの剣術を習いたい者達が集まった。それを見た弥彦が「何だお前ら?」と睨み付けると門前の者達が一斉に「神谷活心流の美人剣豪、一瀬伝八さんはここにいらっしゃるのですか!?」と次々と詰め寄られるのだから弥彦もたまったものではない。

第六章「一瀬伝八は俺の嫁」

何はともあれ、この日から神谷活心流道場に20名ほどの剣術を習いたい者が増えた。指導料を毎月頂けるから、これでお金には困らない。

次の日も、また次の日も「一瀬伝八さんはこちらにご在宅ですか?」と噂が噂を呼び、続々と人が集まって来る。

街中では数週間にわたり剣豪、一瀬伝八の話題でいっぱいになっていた。女性剣豪「一瀬伝八」は男性達の妄想が膨らみすぎて神谷道場には次から次へと剣術志願者が訪れる。

警視庁の藤田五郎(斉藤一)が赤べこに現れた強盗の調書を見ていると、謎の剣豪一瀬伝八は大体こんな人物と分かった。男性の町民から聞いた声が以下である。

・スリムなのに剣術が強い ・包帯の下は美人に違いない ・僕の顔に強烈なビンタを入れて欲しいほどの可愛さ ・一瀬伝八は声が可愛いすぎる ・ファンになった ・一瀬伝八を嫁にしたい ・俺が一瀬伝八を守ってやる!

調書を見ながら、盛大なため息まじりにタバコの煙を吐くと、ブツブツと「一瀬伝八は昔の俺の名前じゃないか・・・」と呟く斉藤一。

「神谷の娘だな。あのド阿呆が! 町民の男達も阿呆ばかりだ。そんなに誉めるなら強烈なビンタ入れて嫁に行ってやるさ!」

半分ヤケになっている斉藤一。

ふと外を見ると海からの潮風が気持ちいい。今日も平和な東京下町であった。

 

アニメ化について

引用元:オスカープロモーション

マンガと比べると、とってもコミカルに進みます。

薫役の声優さんは藤谷美紀さん。子供番組向けの声質でアニメにぴったりですが多少の違和感を感じました。

藤谷美紀は元々は歌手・役者さんだったのですね。なるほど、それなら納得。

アニメのコミカルさを維持しつつの人誅編は難しかったでしょうね。京都編で終了して正解だったと思います(アニメ版ではマンガ本編には無いオリジナルストーリーもあります)

では、神谷薫を演じた藤谷美紀さんの紹介です。

藤谷美紀プロフィール

【名前】 藤谷美紀

【生年月日】1973年9月15日

【出身】 愛知県名古屋市

【所属】 オスカープロモーション

アニメ版るろうに剣心が多少コミカルになったのは、声優さんの影響もあると思いますよ。

 

実写化について

引用元:オスカープロモーション

るろうに剣心は現時点で3回映画化されています(2021年2月現在)

神谷薫を演じたのは武井咲さん。

もはや、るろうに剣心の映画で無くてはならない人になっています。2021年公開予定の映画「るろうに剣心最終章」も見逃せません。

簡単に武井咲さんも紹介です。

武井咲プロフィール

【名前】 武井咲

【生年月日】1993年12月25日

【出身】 愛知県名古屋市

【所属】 オスカープロモーション

アニメ版るろうに剣心で神谷薫の声を演じた藤谷美紀さんと出身地も所属も一緒ですね。たまたまかもしれませんが、名古屋出身の人は薫を演じるのが上手いのでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?神谷薫。

主人公剣心の一番大切な人であり、剣心が守るべき薫も意外と強い。

薫が居なかったら剣心は飛天御剣流の奥義は到底会得出来ませんでしたし、志々雄真実に勝つ事も出来ませんでした。

「生きる意志は何よりも強い!」

神谷薫が居たからこそ主人公剣心が心の底から、こう思えるようになったのです。

ここをご覧の読者様は一番大切な人は誰でしょう?また大切な人達は誰でしょう?

大切な人達を守る為に心を強くして行動して、皆でこの国を良くして行こうではありませんか。

それでは今日も素敵な1日を!

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